2016 Fiscal Year Research-status Report
立ち乗り型パーソナルモビリティの操縦評価手法の開発
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16K18057
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
橋本 尚久 国立研究開発法人産業技術総合研究所, ロボットイノベーション研究センター, 主任研究員 (20415730)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | モビリティロボット / 立ち乗り型ロボット / パーソナルモビリティ / 運転評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,立ち乗り型のパーソナルモビリティロボット(以後 立ち乗り型PM)と呼ばれる乗り物における,操縦者の評価手法の開発を目的とする.立ち乗り型PMは,多少の制約は残るものの全国展開が決定し,今後の利用拡大が期待されている.小型特殊や原付にカテゴライズされているものの,免許制度がある2輪車・自動車等と比較すると客観的な操縦評価を持たない立ち乗り型PMにおいては,誰もが安全に利用を開始するべきかどうかの判断基準が明確ではない.そこで本研究では,免許制度に似た操縦許可の判定を可能とするための立ち乗り型PMの操縦評価ツールの開発を目的とする. 本研究は2年計画を予定しており,平成28年度では,様々なセンサデータを取得できるような立ち乗り型PMの改造,実験計画の策定,初心者と熟練者における運転操作・走行データ取得のための被験者実験までを行い,ほぼ計画通りに実施することができた.立ち乗り型PMの改造では,申請者が保有する2種類の立ち乗り型PMに3軸加速度,3軸角速度を取得できるセンサ,高精度GPS,記録用計算機を取り付けるための改造を行った.また,次年度に控える被験者実験に向け,容易にデータの取得が可能なプログラムの作成も行った.また,次年度の多人数の被験者実験に向けた実験のシナリオの検討,被験者の選定などを行い実験準備を終えることができた.加えて,初心者と熟練者のそれぞれの操縦データを取得するための予備実験を行い,3名ずつの合計6名のデータ取得実験を行うとともに,データ分析を行える環境までを構築した. 次年度に向けては,予備実験データの分析による評価手法の構築,多人数の被験者実験を行うとともに,提案手法の有効性の確認までを行う予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度においては,大きく分けて3つの行うべき課題(立ち乗り型PMの改造,データ取得のための被験者実験計画策定,初心者操縦者と熟練者の操縦データの取得)があるが,それぞれすべて予定通り完了しており,次年度に行うべき課題が残るのみである.そのため,順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度が最終年度であるため,実験計画に沿って,立ち乗り型の操縦評価手法の確立を目指す.次年度は,複数名の被験者実験による実験データの取得を行いえられる多量の実験データから,今年度の基礎実験により構築した基礎的な手法の改良を行うとともに,提案手法の有効性の評価までを行いたい.最終年度でもあるため,国内外の学会発表を通じて積極的な結果の公開も行うとともに,学会でのディスカッションを通じて更なる今後の研究の発展も目指していきたい.
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Causes of Carryover |
当初購入予定のセンサは,所内予算で購入可能となったことに加えて,全体予算の関係から,初年度の購入センサを減らした.また,個人情報等の管理の困難さから,被験者をボランティアではなく,被験者派遣会社にお願いすることとした.また,人件費の高騰から被験者派遣の金額も増加し,最終年度の被験者派遣費用が増加した.また,所内の締切が早く,年度末執行が厳しかったため,購入物品センサの一部を次年度発注とした.また,渡航予定であった国際学会が治安情勢のため,別の学会(次年度)に振替たため使用しなかった.これらの要因から初年度の使用額が減少し,最終年度で使用することとなった.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
年度初め早々に,残りの備品センサの購入を行うとともに,取り付けやケーブル等の消耗品の購入を行う.また,被験者派遣費を使用し,できる限り多くの被験者の雇用を行うことにより,様々な被験者のデータを取得し,有用性の評価を行いやすくしたい.また,学会発表も積極的に行う予定をしており,2,3回ほどの国際学会と論文誌への投稿も行い,繰り越した研究費と合わせて,計画通り使用する予定である.
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