2016 Fiscal Year Research-status Report
人工衛星用数十MHz超小型絶縁電源システムの開発―パワーSOCを目指してー
Project/Area Number |
16K18060
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
安部 征哉 九州工業大学, 大学院生命体工学研究科, 准教授 (40423488)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | パワーSoC / 空芯コイル / 非接触トランス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では 、人工衛星に用いる超小型・高効率絶縁電源システムの開発を目的とし、パワーSOCを実現する一環として、パワーSOCに適した数十MHz(従来のDC-DCコンバータに比べて一桁程度高いスイッチング周波数)で動作する超小型DC-DCコンバータの回路技術を確立することを目的とする。具体的には、まず本研究の要となる空芯インダクタを試作評価する。次に、数十MHz駆動に適したゲート駆動回路を開発する、更に非接触トランスを試作評価し、最後に電源システムを構築し評価する。また、LSIやMEMS技術によるパワーSoC作製の前段階として、ボードレベルでの検討を行う。28年度の研究計画は、(1) 空芯インダクタの設計、試作及び評価、(2)ゲート駆動回路の設計、試作及び評価の達成である。空芯インダクタはHFSSによる電磁界シミュレーションを主にインダクタンス及び交流等価抵抗について詳細に議論し、試作インダクタの評価を行っている。シミュレーションと実測の良好な一致が確認でき、それらのデータを基に回路シミュレーションモデルを作成した。また、ゲート駆動回路については、30-50MHzで動作可能な駆動ICの試作を行い、良好な動作特性を確認している。インダクタと同様に回路シミュレーションモデルを構築している。更に、非接触トランスを構築し電磁界シミュレーションによりその特性を確認している。非接触トランスを用いた絶縁型DC-DCコンバータの回路方式について回路シミュレーションにより検討を進めている(29年度研究計画)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
28年度計画は、空芯インダクタの設計、試作・評価およびゲート駆動回路の設計、試作・評価であったが、空芯インダクタを用いた非接触トランスの試作・評価を先行して実施し、絶縁型DC-DCコンバータの回路方式について初期検討を始めている。その中で、交流等価抵抗が予想以上に問題となっており、29年度は交流等価抵抗の提言手法について研究を進める予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度は予定していた計画より先んじて実施できているため、29年度は研究計画通りに進めていく予定である。さらに、現在問題となっている事項についても追加で検討していく予定である。
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Causes of Carryover |
基板試作の予定であったが、これまでの検討で用いていた基板で十分検討できたことに加え、先行して検討した事項で交流等価抵抗が予想以上に問題となることが確認されたため、予定していた基板作成を中止した。今後、交流等価抵抗の低減手法を検討した後、基板試作の予定。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
29年度はDC-DCコンバータ基板のみの試作予定であったが、交流等価抵抗低減を確認するための基板が必要なため、予定していたよりも多く基板試作の必要があり前年度から繰り越した予算で賄う予定である。
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Research Products
(2 results)