2017 Fiscal Year Research-status Report
光容量法を用いたⅢ-V族系半導体結晶における深い欠陥準位の解明
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16K18077
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
出来 真斗 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 助教 (80757386)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | GaN / SBD / GaN-MIS / Power Device / Deep Levels |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、GaNエピタキシャル膜中およびGaN/絶縁膜界面に存在する深い準位の起源解明に関するものである。平成29年度において、GaN-SBDおよびGaN-MISキャパシタを作製した。GaN-SBDに関しては、c面およびm面のGaN基板上にドナー濃度1E+16cm^-3程度のn型GaNエピ膜を成長し作製した。c面およびm面GaN基板上SBDの電気特性は理想係数が1.1程度であり、逆方向リーク電流も熱電界放出モデルと一致することが分かった。このGaN-SBDに対して、深い準位の測定を行った。DLTS測定で得られたm面GaN基板上SBDの結果はc面GaN基板上にて報告されているE3センター(Ec-Et=0.57eV)と非常に近く、同起源の点欠陥であると結論付けた。この成果は10th IWBNS(2017年9月18日、エスポー)にて報告した。 GaN-MISキャパシタに関しては、ALD-Al2O3膜を有するGaN-MISキャパシタを作製し、Hi-Lo法を用いて界面準位を評価した。ALD-Al2O3膜をデポした直後においては、界面準位は10^12eV^-1・cm^-2程度であったが、400℃1時間の熱アニールによって10^10eV^-1・cm^-2以下まで低減可能であることが明らかになった。加えて、m面GaN基板上GaN-MISキャパシタに関してはa軸方向に0.5度のオフ角を設けた基板における試料が、Al2O3膜の高絶縁破壊電界強度および低界面準位密度を達成できることを明らかにした。以上の成果は、12th ICNS(2017年7月24日、ストラスブール)、ICMaSS 2017(2017年9月29日、名古屋)にて報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度においては、アニールを行った低界面準位密度のGaN-MISキャパシタ及びGaN-SBDにおける深い準位の測定を行い、m面GaN-SBDに関する点欠陥も明らかに出来た。以上のことからおおむね順調に進展しているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度においては、MCTS測定装置の構築を行い、c面およびm面における少数キャリアトラップに関する知見を得て、本研究課題のまとめを行う予定である。
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