2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K18087
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
金澤 徹 東京工業大学, 工学院, 助教 (40514922)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | MOSトランジスタ / マルチゲート構造 / 高移動度チャネル / 化合物半導体 / 結晶成長 |
Outline of Annual Research Achievements |
将来の集積回路用トランジスタとして期待されるⅢ-Ⅴ族化合物半導体電界効果トランジスタ(FET)の性能向上を目的として、積層型InGaAsチャネル構造と結晶成長ソースを有するFETの開発を行った。 提案構造の前提となるフィン型チャネル構造に再成長ソースを形成するデバイス構造の動作特性についてTCADシミュレーションとの比較と共に報告した。 積層型チャネルへのゲート電極形成において候補となる電極形成プロセスとして、スパッタ法を用いたMOS構造形成に関する基礎条件の調査を行った。Moスパッタ成膜時のプラズマ出力や圧力等について低抵抗かつ均一性の高い成膜が可能な条件を得ることができた。原子層堆積法によって形成したHfO2/Al2O3二層型の絶縁膜にMo電極を形成したMOSキャパシタ構造の電気特性評価では、これまでに報告している電子ビーム蒸着したNi電極との比較においても、良好な界面特性を持っていることが確認できた。 InGaAs/InPの周期構造を有するエピタキシャル基板に対してチャネル真性部に対応する微細構造を形成した後にMOCVD法による再成長を用いてn-InGaAsソース層の形成を行い、チャネル/ソース境界に空隙の生じない成長が可能であることを確認した。一方で再成長後のフィン形状形成時に凹凸構造に起因して、当初想定していなかったプロセス上の問題点が生じることが明らかとなった。これを解決するために複数の作製プロセスに関する調査を行いハードマスクへの転写プロセスを導入する事でその解決が見込まれることを明らかとした。 次年度以降に提案デバイス構造の動作実証を行い、特性改善へ向けた取り組みを推進するための要素技術を確立することが出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
MOCVD法によるソースドレイン領域再成長後に行うチャネル幅を決定する加工プロセス時にチャネル近傍の凹凸構造に起因するレジスト膜厚の変動が生じ、チャネル幅の微細化において障害となることが明らかとなった。そこで想定していた電子ビーム露光用レジストの直接描画によるマスク作製プロセスに対して、転写プロセスを用いた別のプロセスへの変更を行うための実験を行う必要が生じた。結果、初年度の目的であった提案構造での素子動作には至っておらず、当初の予定からは若干の遅れが生じていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
試作段階で明らかとなったプロセス上の課題については現在までにほぼ解決したため、まずはデバイス構造の作製を進め、その動作を確認することを行う。 その後、得られた測定結果からのフィードバックを適宜行いつつ、チャネル長を初めとする各構造のスケーリングや組成比の制御といった性能向上へ向けた取り組みを進めていき、ターゲットとしている電流特性の実現を目指す。実験的なアプローチのみでなくTCADシミュレーションによる理論的な検討を併せて行うことで研究の効率化を図る。
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Causes of Carryover |
本デバイスにおいて重要となるチャネル形状等について断面TEM等による厳密な評価を行うことを想定していたが、SEM観察の時点でプロセスの改善が必要であることが明らかとなったため、TEMによる依頼分析を行っていないことが主な理由である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当初予定していたTEMを用いた構造評価は今後行う必要があるため、その実施やそれを用いた発表の経費(投稿費・旅費)として使用する。 また、研究遂行において必要となる各種消耗品費(プリカーサー、ガス、薬品)としても充当する予定である。
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Research Products
(1 results)