2016 Fiscal Year Research-status Report
高次可変リフティング構造を用いた高機能映像統合符号化
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16K18100
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
鈴木 大三 筑波大学, システム情報系, 助教 (30615498)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | リフティング / フレーム間予測 / 適応変換 / 高速変換 / 離散X変換 / 符号化標準規格 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度の平成28年度では,当初の目的のような「新たな類似フレーム間予測」や,「新たな差分信号適応変換」の実現には及ばなかったが,その取っ掛かりとなる新手法を達成できたので報告する.具体的には主に以下の2点である. (1)2次元リフティングによる重複変換の実現 画像符号化標準規格JPEG XRなどに用いられる重複変換を,2次元画像を考慮しながら実現する手法を提案し,通常のロッシー・ロスレス統合符号化において良好な結果を示した.各々のリフティングは画像内の画素やブロック間で互いに作用するが,その係数は自由に設定可能であり,またフレーム間への応用も考えられるため,今後の研究に繋げていきたい.また一方で,重複変換においては画像端問題も課題となるが,それについても考慮し,効率的な符号化を実現した. (2)より実用的な離散X変換(DXT)の実現 離散フーリエ変換(DFT)や離散コサイン変換(DCT)などの古典的な変換の高速アルゴリズムを実現した.それらは類似フレーム間予測や差分信号適応変換に用いられるベースとなるものであり,またその演算コストは高くなりがちであるため,実用面でとても有効であると考えられる.さらに予測や変換のための画像解析技術の向上を図るべく,多次元方向性を解析できる新たな多次元変換を実現した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の目的である高機能映像への応用という実績は上げることができなかった.しかし,その目的達成のための基盤技術という土台をさらに固めることができた.特にブロックベースの離散X変換の高速化とそれによる多次元変換の実現は,情報量の多い高機能映像への応用を考えた場合,とても有用であると考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
以下のような2点で研究を進める. (1)新たな類似フレーム間予測・差分信号適応変換の検討 平成28年度の離散X変換における基盤技術を元に,高機能映像への応用である「新たな類似フレーム間予測」「新たな差分適応変換」について今一度検討する. (2)より効率的な離散X変換の導出 平成28年度に離散X変換における基盤技術の進展があったが,さらに高効率化を図ることのできる算段があり,それに着手する.汎用性のある基盤技術であるため,画像処理一般に応用可能な技術となる.
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Research Products
(12 results)