2017 Fiscal Year Research-status Report
植物生体電位の点滅光刺激への応答を利用したアクティブな光合成速度評価と最適化制御
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16K18116
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
安藤 毅 東京電機大学, 工学部, 助教 (00712431)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 植物生体電位 / 光合成 / 明反応 / 光化学反応 / 点滅光 / 植物工場 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,昨年度立ち上げた実験設備と植物生体電位測定システムを使用し,刺激として用いる点滅光の照射に対する植物生体電位の応答特性を集中的に検討した。特に,極力短い点滅周期の方が刺激によって得られる植物生体電位と光合成反応との相関がよいことが予備的な研究によって得られているため,目標として5KHzをあげていた。しかし,実験環境によってはアクティブ電極,シールドなどの各種ノイズ対策を施した場合であっても,LED光源からのノイズとハムノイズの影響が予想以上に大きく,フィルタ以外の信号処理を施さない場合は,10Hz以上の点滅周期に対して,十分な生体電位応答のSN比が得られないことが明らかになった。一方で,FFTなどの信号解析手法を併用すれば,100Hz程度の点滅周期であれば,植物生体電位応答から有意な情報を取り出せることが示唆された。最終年度においては,この100Hz程度の点滅周期の刺激に対して応答した植物生体電位応答と,光合成反応活性との関係を調査し,目的の光合成速度評価手法の完成と,最適化制御手法への応用方法を検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
点滅光刺激に対する植物生体電位の応答のSN比が思ったよりよくなく,点滅光の周波数向上とSN比の確保にかなりの時間を要したため。昨年度で,一旦の目処はついたため,今年度では植物光合成の評価や応用のフェーズに入る。
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Strategy for Future Research Activity |
実用の環境下では極低ノイズの測定は現実的ではないため,シールド,フィルタなどのノイズ対策に留め,やや10~100Hzの当初目標より低周波であるものの,その点滅周波数の光刺激に対する植物生体電位応答を捉え,光合成速度との関係を検討する。また,本手法において評価した光合成速度を最適化制御へ利用する方法を検討する。
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Causes of Carryover |
該当年度中に植物光合成評価のフェーズに入ることができず,そのために計上しておいた予算を使用することができなかった。来年度早々に発注し,研究を進める予定である。
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