2018 Fiscal Year Annual Research Report
Active evaluation of photosynthetic rate and environmental optimization by using plant bioelectric potential response to stimulus from blinking illumination
Project/Area Number |
16K18116
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
安藤 毅 東京電機大学, 工学部, 助教 (00712431)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 植物生体電位 / 点滅光 / 光化学反応 / 炭素固定反応 / 植物工場 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,LEDの点滅光刺激に対する植物生体電位の応答特性を解析し,それを指標とする光合成速度の評価手法を確立することを目的として研究を行った.提案手法は,光合成の反応時間にもとづく周期の点滅光を,植物生体電位の応答を誘引する外部刺激をとして用いる,アクティブかつ選択性が高い測定が可能であることが特徴である. 第一に,微小生体電位応答の高感度測定法の検討を行った。点滅周期を短くしてゆくとそれに誘引される電位応答も小さくなり観測が困難となり,S/N比が大幅に低下してゆく.そのため,ヒトの生体電位計測でノイズ対策に用いられてきたアクティブ電極を植物生体電位測定に応用し,微小生体電位の高感度測定が可能であることを示した。 第二に,光合成速度評価のための最適な光刺激点滅周期の検討を行った。提案手法の原理からすると,点滅周期が光合成の反応時間である20 msや200 μsに近くなるほど,誘引された生体電位応答と光合成速度の相関が最も高くなることを予想していたが,最も光合成の評価性能が良かった点滅周期は1s~0.1Sの点滅周期であった。これは,点滅の高速化によるS/N比の低下に影響されていることと,植物生体電位応答のへ重畳する光合成以外の応答は時定数が遅く,上記の点滅周期であっても,点滅光に誘引された光合成反応に起因する生体電位応答のみを精度よく観測できることが明らかになったためである。 第三に,点滅光に誘引された生体電位応答と光合成速度の相関を検討した結果,相関係数0.9を越えた。点滅光は光合成を促進する効果が知られており,本提案手法での光合成の評価と栽培現場での栽培促進が両立可能であると結論付けられた.一方で,点滅光の波長条件を様々に組み合わせると植物の光受容体の応答感度の関係から相関が低下することも明らかになっており,より多岐にわたる栽培光環境下での精度向上が課題である。
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