2017 Fiscal Year Research-status Report
評価回数制約付き最適化問題の提起と解法 - システム理論の融合 -
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16K18121
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
田村 健一 首都大学東京, 理工学研究科, 助教 (40534912)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | evaluation times / direct search / black-box optimization |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究成果は以下の3つに分類できる。 (1)評価回数制約付き最適化問題の定式化:今回対象とした目的関数の評価回数制約付き最適化問題では、決定変数に対する制約を考えていないので、その最適解は通常の最適化問題の最適解と一致する。しかし、この問題の場合は、評価回数制約が存在するため、従来の最適化理論のように最適解を保証することは不可能である(従来の最適化理論では無限の評価回数を前提としている)。そこで、「事前に任意に指定された目的関数の評価回数内でできるだけ目的関数値を増やす(減らす)解を探す問題」という意味になるような定式化を行った。この問題を英語でEvaluation-times Constratined Optimization (ECO) 問題と命名した。 (2)評価回数制約付き最適化問題の解法を構築するための基礎理論:評価回数制約付き最適化問題はブラックボックス問題にカテゴライズされる。そのため評価回数制約付き最適化問題の解法を構築するうえでは目的関数の微分を使用しない解直接探索法の理論が応用できると期待できる。そこで解直接探索法の一つであるSPOアルゴリズムにおける降下方向生成や収束性について解析した。 (3)評価回数制約付き最適化問題の一解法を構築:ブラックボックス問題に対して有効とされるベイズ的最適化アルゴリズムの一手法(解直接探索法)を任意に指定された評価回数制約に適応させることで評価回数制約付き最適化問題に対する一解法を提案した。様々な特徴を有したベンチマーク問題を用いた数値実験により提案手法の有効性を検証することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度に予定してた、評価回数制約付き最適化問題を定式化、その解法のための基礎理論の解析、具体的な解法を提案することができたため。さらにこれらの成果を英語の学術論文誌や国際会議で発表することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの成果をもとに評価回数制約付き最適化問題の解法を構築する。可能な限り理論的に洗練されたものを目指す。
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Causes of Carryover |
(理由)臨時の研究費(年度内に執行する必要がある)が分配されたので、そちらを優先して使用したため。 (使用計画)論文掲載料、学会参加費及び旅費、高性能計算機、英語論文校正料、アルバイト代などに使用予定である。
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