2017 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation of the mechanism of high strength development in concrete secondary products by autoclave curing
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16K18132
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
山口 晋 日本大学, 生産工学部, 講師 (60582468)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | オートクレーブ養生 / トバモライト / C-S-H / 細孔空隙 / 粉末X線回折 / EPMA |
Outline of Annual Research Achievements |
コンクリート二次製品を対象とした新しいオートクレーブ養生技術の実用化へ向けた高強度化理論の導出を目的とした,一般的養生条件の3時間を含む,500時間までの長時間のオートクレーブ養生を実施し,トバモライトの生成とセメント硬化体の強度発現性に着目した基礎実験を行った.その結果,以下の研究成果が得られた. (1)養生時間200時間までは,養生時間に比例して圧縮強度の増加が認められたが,シリカフューム添加率10%の場合,300時間以降で圧縮強度の低下が認められた.これに対し,シリカフュームの添加率0%,5%の場合は,養生時間が300時間まで圧縮強度は増加したが,養生時間500時間では低下した. (2)シリカフュームの添加率に関わらず,養生時間10時間までは全空隙が減少し,それ以降は圧縮強度の増加に比例して3-6nmのゲル空隙が増加する傾向を示した.圧縮強度が低下した養生時間500時間では10-50nm以上の空隙が増加し,全空隙が極端に増加した.シリカフューム添加率0%,5%の場合の養生時間500時間においても同様に全空隙の増加が認められた. (3)トバモライトの生成は,養生時間200時間までは顕著なピークが認められなかったものの,6-50nmの毛細管空隙量の増加に伴い圧縮強度の低下が認められた300時間,500時間の場合においてトバモライトの生成が確認された.また,トバモライトゲルが,僅かであるが養生時間の進行に伴い生成が促進されたことが確認できた. 以上のことから,オートクレーブ養生によるコンクリート二次製品の高強度化は,非晶質のC-S-Hの多量生成および半結晶化によるトバモライトゲルの混相による微小空隙の充填による内部構造の緻密化が主な要因であることを明らかにした.これはトバモライトの生成に限らないC-S-Hの生成に着目した新しいオートクレーブ養生による高強度化理論を示すものである.
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