2017 Fiscal Year Research-status Report
アスファルト骨材界面に着目したアスファルトコンクリートの水分による劣化機構の解明
Project/Area Number |
16K18135
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Research Institution | National Institute for Land and Infrastructure Management |
Principal Investigator |
河村 直哉 国土技術政策総合研究所, 空港研究部, 主任研究官 (70728211)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | アスファルトコンクリート / 水 / はく離 / 薄片 |
Outline of Annual Research Achievements |
アスファルトコンクリート(以下、アスコン)の水分による劣化は、アスコン中のアスファルトと骨材界面の付着が水分の介在で失われることであると理解されているが、アスファルト-骨材界面の水分による劣化機構には未だ不明な点が多い。本研究では、アスファルト-骨材界面の水分による劣化機構を明らかにすることを目的として、アスファルト-骨材界面近傍の微細構造の物理的および化学的な変化に着目した検討を行う。以下に今年度の検討結果を示す。 アスコンの微細構造の物理的な変化の評価方法としては、昨年度、乾式研磨法によりアスコンの薄片を作製し、偏光顕微鏡でアスファルト-骨材界面近傍の微細構造を偏光顕微鏡により観察する方法を提案した。今年度は,室内試験において水による劣化を再現したアスコンをまず作製し、上記の方法により、水による劣化前後のアスコンの薄片を作製した。その薄片と偏光顕微鏡を用いて微細構造を観察した。その結果、劣化後のアスコンにおいて,①アスファルトが骨材から剥がれた位置、②骨材表面の微細なひび割れ状況,③アスファルトモルタルの混合状況の局所的な変化をミクロオーダーで観察することができた。これらはアスコンの薄片でしか特定できない情報であり、今後水による劣化診断のツールとして活用できることが示唆された。 アスコンの微細構造の化学的な変化の評価については、昨年度検討した評価方法の課題を克服できる可能性のある新たな方法を見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画では、アスコンの微細構造の化学的な変化についても、水による劣化前後のアスコンを用いて評価することとしていた。昨年度検討した評価方法の課題を解決した方法により、アスコンの微細領域を分析できる可能性を示すまでには至ったものの、当初計画までには至らなかった。これについては、来年度検討を行うこととする。一方で、研究業績の概要で記載したが、アスコンの微細領域の物理的な変化の評価については、順調に進展している。以上より、部分的に当初の計画に対して遅れはあるものの、総じておおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画どおり、様々な条件において水で劣化させたアスコンを作製し、物理的な変化と化学的な変化を評価し、強度等アスコンのマクロな挙動に影響を及ぼす微細構造の変化を抽出し、アスコンの微細劣化診断法を検討する。
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Causes of Carryover |
(理由) アスコンの薄片を作製するために必要な分析用品を購入する予定であったが、研究を進める中で港空研や産総研と打合せを行い、当初購入を予定していた分析用品の中で必要用品を再整理することが効率的に研究費を使用できると考えた結果、次年度に購入するという判断としたため。 (使用計画) 購入予定であった物品に関して、次年度に購入する予定の物品と併せて購入する予定である。
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Research Products
(2 results)