2016 Fiscal Year Research-status Report
液浸法実験と粒子ベースの数値計算による内部侵食の微視スケールでの可視化と把握
Project/Area Number |
16K18146
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
福元 豊 長岡技術科学大学, 工学研究科, 助教 (60757350)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 粒子シミュレーション / 内部侵食 / 個別要素法 / 格子ボルツマン法 / 混相流 / 可視化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画の目的は,貯水池堤体や河川堤防の崩壊といった深刻な地盤災害の引き金となる内部侵食現象を微視スケールで可視化して,それが土中で発生・進行する様子を詳細に把握することである.具体的には,液浸法にPIV/PTV計測を組み合わせて土粒子と間隙水の挙動をレーザーシート上で2次元的に可視化する模型実験方法(研究A)と,その結果を踏まえて3次元的に内部侵食を把握可能とするための粒子ベースの数値計算手法(研究B)の開発を進めた.その結果,今年度は以下のような成果がそれぞれ得られた. 研究Aでは,まず,液浸法による模型実験に適した材料の選定をおこなった.検討予定の組み合わせは,「ソーダガラス・シリコンオイル」と「光学ガラス(BK7)・シリコンオイル」の2組であったが,それ以外の候補として検討した「アクリルビーズ・シリコンオイル」の組み合わせが最も今回の模型実験方法に適していることがわかった.次に,内部侵食現象を観察するための装置は,BoilingタイプとContact erosionタイプの2種類を透明なアクリルを加工して作成した.シリコンオイルは高価な消耗品であるため,先に水を間隙流体として使用して,作成した装置の性能を確認した. 研究Bでは,土粒子-間隙水シミュレータの高速化と高度化をおこなった.個別要素法と格子ボルツマン法を連成した手法をGPU上で実行し,3次元で土粒子10,000~30,000個程度の計算を実行できることを確認した.また,Contact erosionのような土粒子の粒径差に起因する内部侵食を再現できる数値計算モデルへの拡張もおこなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究Aについては,当初の計画の通り,液浸法を応用して,作成した装置内で内部侵食現象を可視化するための準備が完了した.研究Bについても,次年度以降に模型実験の結果を再現するための土粒子-間隙水シミュレータの基本モデルが完成した.よって,おおむね順調に進展していると言える.
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Strategy for Future Research Activity |
申請時の計画の通り,研究Aの模型実験方法の開発を進めながら,そこで得られた結果を研究Bへフィードバックすることで,現実の計測結果を反映した数値計算モデルの完成に向けた検討をおこなうことを予定している.
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Causes of Carryover |
次年度使用額は89,445円と小さく,特に問題なく計画通りに使用することができた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験消耗品の購入に充てるなどし,平成29年度も計画通りに使用する予定である.
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Research Products
(12 results)