2017 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of electrochemical method for recycling sediment
Project/Area Number |
16K18158
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
TOUCH NARONG 広島大学, 工学研究科, 特任助教 (50707247)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 有機汚泥 / 電子制御 / 解離 / 硫化水素 / 底生生物 / 有機物分解 / 肥料 / 電子伝達 |
Outline of Annual Research Achievements |
河口等に堆積した有機汚泥(堆積泥)には高いエネルギーと豊富な栄養があるが,回収効率が極めて悪いために回収コストが高く,実用化できていない.堆積泥は一旦海上に上げられると,廃棄物として取り扱われ,その処理には膨大なコストと処理場の確保が必要とされ,廃棄による処理の将来性は乏しい状態にある.本研究では,堆積泥を簡易に,かつ低コストで処理できる電気化学手法を確立するとともに,本手法により処理した堆積泥を資源化(有用材料)することを目的としている.具体的には,電子の回収,または供給により堆積泥性状を変化させ,微生物燃料電池の燃料,干潟の材料,農業に適した栄養土への適用性を検討する.研究成果として,(1)電子回収は堆積泥中の有機物-金属錯体を解離させることができ,電子回収過程で堆積泥への電子供給は有機物分解を促進させることを見出した.(2)堆積泥からの電子回収により還元性が改善された処理泥では底生生物が多種で生息,さらに底生生物の成長が速いことが現地実験により明らかになった.(3)電子回収によって硫化水素が除去,還元性が改善された堆積泥は農業に適した栄養土(有機成分)として利用できることが小松菜栽培実験から分かった.(4)電子回収した汚泥(処理泥)を堆積泥と混合して微生物燃料電池(SMFC)の燃料として用いると,解離された金属イオンは電子伝達の効率を促進させ,SMFC性能が向上されることがわかった.(5)処理泥を堆積泥と混合して静置させると,処理泥は有機物分解を促進させる働きがあることが明らかになった.
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