2017 Fiscal Year Research-status Report
競争市場構造分析を用いた大型クルーズ客船の寄港要因の解明とクルーズ観光政策の支援
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16K18166
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
藤生 慎 金沢大学, 環境デザイン学系, 助教 (90708124)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | クルーズ旅客 / SP調査 / 消費 / 経済波及効果 / 動態 / 訪日外国人 / MACアドレス / カーネル密度推定 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は,金沢港に寄港するクルーズ船,すべてに対してアンケート調査を実施し大規模に旅客の消費,満足,動態に関するデータを取得した.クルーズ旅客の消費,満足に関しては紙ベースのアンケートを実施し,クルーズ乗船時期の選好意識,観光消費額(日本人・外国人),満足度の把握を行った.さらに,クルーズ観光客の動態に関しては新しい調査であるMACアドレスの取得調査を実施し,金沢市内全域におけるクルーズ観光客の動態を把握した.これらの成果は4本の査読論文として取りまとめを行った.結果の概要を以下に示す.近年,日本国内においてクルーズ船の寄港回数およびクルーズ人口が増加傾向にある.クルーズ客は,発着型の乗客と一時上陸型の乗客の2種類に分けることが出来る.発着型の乗客は,乗船前・下船後において観光,消費,宿泊等をすることが見込めることから,発着港となる都市へ及ぼす経済的影響が大きいと言える.本研究では,金沢港発着のクルーズに乗船した乗客を対象としたアンケート調査を行い,乗船港付近での個人属性・消費額・満足度の分析を行い,特性の把握を行った.また,前泊・後泊モデルを構築し,前泊・後泊をする乗客に共通すると考えられる要素の抽出を行い,前泊・後泊をする確率の予測値を算出した.さらに,クルーズ客は,寄港地での観光において観光する時間の制約を受けるため,寄港地での観光において費やすことが出来る時間が限られている.このため,クルーズ客は行きたい場所を事前に絞り,スムーズに観光を楽しもうという心理がはたらき,事前に寄港地の情報を調べる乗客が多いと考えられる.本研究では,金沢港へ寄港したクルーズ船の乗客に対してアンケートを実施し,寄港地の情報収集を事前にすることが観光の満足度や消費額に影響を及ぼすのかどうかを検証した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
クルーズ調査に対する産官学の協力関係がより強固になったことから,多くのクルーズ船,これまでに開示されてこなかったデータを入手することが可能となり,当初の計画以上の研究を進めることができた.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き,我が国に寄港するクルーズ船の船客に対するアンケート調査を実施し,消費,満足度,動態に関するデータを取得する.今後は特に,クルーズ客の寄港地における動態と消費額の関係について明らかにしていく.
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