2019 Fiscal Year Annual Research Report
Theoretical and empirical study on the possibility of a telematics insurance to reduce rat-run traffic
Project/Area Number |
16K18168
|
Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
松尾 幸二郎 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50634226)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | テレマティクス保険 / 抜け道 / 生活道路 / フィールド実験 / リワード / ペナルティ / 事故減少 / 支払い保険金減少 |
Outline of Annual Research Achievements |
2016~2017年度は,プローブデータを活用して統計モデルによる抜け道交通実態の分析を行った.結果として,朝の時間帯で抜け道利用割合が多くなり,逆に夕方の時間帯では抜け道利用を避ける傾向があること等が示された.また,所要時間差を短縮するような抜け道交通対策は多くの費用が必要であるが,その効果はあまり大きくないことが予測された.一方で,幹線道路のみを利用した方が所要時間が短くなるにも関わらず抜け道利用割合が大きくなっている抜け道トリップも多く存在しており,情報提供等の比較的コストが低い対策を行う方が費用対効果は高い可能性が示された. 2018~2019年度は,「抜け道抑制型インセンティブプログラムを想定したフィールド実験」を実施し,当該プログラムがドライバーの経路選択行動に与える影響の分析・考察を行った.結果として,①被験者により違いはあるものの,平均的には抜け道利用割合が4割程度減少したこと,②ペナルティに比べ,リワードの方が効果が大きいこと,③通常時は抜け道利用による時間短縮量が大きいほど,抜け道の利用傾向が大きくなるのに対し,インセンティブプログラムによって,その「時間短縮量が大きくなると抜け道を選びやすくなる傾向」がほとんど無くなること等が示された. 続いて,対象区間における抜け道抑制型テレマティクス保険の導入による,事故の減少量,保険会社の期待支払保険金額の減少量の試算を行った.結果として,被験者ごとで,最大77%,最小0%,平均52%の事故の減少が見込まれることが示された.また,保険会社の期待支払い保険金額の減少は実験で用いたインセンティブ額と比較すると低くなっているものの,実験対象区間という限られた経路での事故減少による試算であることや,サポート人件費といった考慮できていない要素も有り,対象範囲の拡大により逆転する可能性があることが示唆された.
|