2018 Fiscal Year Research-status Report
インフラ整備による地域の主観的「活力」向上効果の実証的検討
Project/Area Number |
16K18169
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
鈴木 春菜 山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授 (00582644)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 地域活力 / 地域愛着 / 幸福感 / インフラ整備 / 事業評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 地域の主観的活力についての評価尺度の検討:本研究では、「地域が有する自己効力感」を、「地域の主観的活力」であると考え、地域に活力を感じる程度、ならびに影響を与える項目として地域のイメージについての評価尺度の検討を行った。まず、新聞データベースを用いた文献調査から「地域活力」と共起する語句を抽出し、それらを用いて評価尺度の候補項目を作成した。その後、インターネット調査を用いて、質問紙調査を行った。得られたデータの因子分析の結果、地域を評価する項目から、ソーシャルキャピタル(SC)イメージ、地域アイデンティティ、インフラ整備認知、行政の姿勢、人口属性の変化の5因子が得られ、このうちSCイメージが地域の主観的活力に相対的に強い影響を及ぼす可能性を示唆する結果が得られた。また、主観的な地域活力は、地域愛着の醸成に寄与する可能性を示唆した。 2. 実事業を対象としたフィールド調査の検討と実施:島根県・出雲市が実施した出雲大社前の参道整備事業について、地域の活力に及ぼした影響を評価するため調査を行った。当該年度は、文献調査によって旅行ガイド等に掲載されている情報量の質量の変化を調査するとともに、交通調査によって旅行客の量や歩行形態、回遊の程度について調査を行った。また、アンケート調査を実施中である。調査の結果、参道整備事業の後も交通量の増加が維持されていること、店舗の増加など周辺への影響は整備事業直後よりも中期的に大きな効果がもたらされていることを示した。今後、住民への調査、時期をずらした詳細な交通調査を実施する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
・評価項目の検討については、概ね順調に実施できている。しかし、研究期間内に産育休を取得したため、フィールド調査などに遅れが生じている。調査対象を厳選し、研究期間内の実施完了を目指している。
|
Strategy for Future Research Activity |
1)地域活力の評価尺度の実用性の検討:検討した地域活力の評価尺度について、地域ごとの評価傾向の検討を行い、地域の活力増進を企図した事業の検討や評価に資する具体的な方法を検討する。 2)フィールド調査の継続実施:対象事業において、フィールド調査を継続するとともに作成した評価尺度を用いた調査を実施する。
|
Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由:アンケート調査の実施が少し遅れ、回収等が次年度に繰り越しになったため。 使用計画:次年度に調査の回収とデータ集計を行うため、データ集計処理費用として用いる。
|
Research Products
(4 results)