2019 Fiscal Year Research-status Report
インフラ整備による地域の主観的「活力」向上効果の実証的検討
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16K18169
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
鈴木 春菜 山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授 (00582644)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 地域活力 / 地域愛着 / 幸福感 / インフラ整備 / 事業評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は、半年間産休・育休を取得したため、当初当該年度に実施を予定した計画内容のうち、半分程度の遂行状況である。研究期間を1年延長し、残した内容を遂行する予定である。 1.地域の主観的活力についての検討:前年度、質問紙調査・データ分析を行い地域の主観的活力に寄与する地域評価の5因子を作成し、分析を行った。本年度はさらなる分析を行い、主観的幸福感や健康観に及ぼす影響を検討した。その結果、居住地域の主観的活力が幸福感・健康観に正の影響を及ぼす可能性を示唆する結果が得られた。また、地域認知が及ぼす相互作用効果などを追加で検討した。居住地域の主観的活力が幸福感や健康観・地域愛着に及ぼす影響は、地域認識が高い群で顕著であり、「地域に活力がある」と認識することが個人の活力に寄与するためには、地域についての認識を促す必要があることを示唆する結果であると考えられる。以上の内容をとりまとめて、学会発表を行った。 2. 実事業を対象としたフィールド調査の検討と実施:島根県・出雲市が実施した出雲大社前の参道整備事業について、地域の活力に及ぼした影響を評価するため前年度に実施した調査の詳細な分析を行った。その結果、参道整備が交通量・消費金額等の客観的な指標と合わせて、満足度の向上にも影響を及ぼしたこと、インタビュー調査から、周辺住民の活力に影響を及ぼした結果が得られた。また、分析結果を取りまとめて学会発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
評価項目の検討については、概ね完了し、学会発表等を行った。しかし、研究期間内に産育休を2回取得したため、フィールド調査などに遅れが生じた。調査対象を厳選するとともに、研究期間を延長し、研究成果の取りまとめまで次年度に完了の予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は最終年度であり、研究成果の取りまとめを中心に行う。 1)地域活力の評価尺度の実用性の検討:学会発表と論文投稿にとりまとめる予定である。 2)フィールド調査の継続実施:フィールド調査の継続を予定していたが、コロナ禍の影響で実施が延期となる予定である。これまでの調査内容をとりまとめ、学会発表・論文投稿を行い、調査が可能となった場合には調査を追加する予定である。
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Causes of Carryover |
当該年度の半年に産育休を取得したため。このため研究期間を延長し、延長年度に実施する研究内容の費用が次年度使用額である。
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