2020 Fiscal Year Annual Research Report
Study about the effect of infrastructure development on the subjective regional vitality
Project/Area Number |
16K18169
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
鈴木 春菜 山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授 (00582644)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 主観的地域活力 / 地域活性化 / 地域愛着 / インフラ整備 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで「地域の活力」は明確な定義がされないまま用いられ、地方創生事業や地域活性化事業においてはその多くで客観的指標において測られてきた。しかし、「地域の活力」を地域社会の生命力ととらえ、その住民の心理的側面への効果を考慮するならば地域住民の主観的な印象や評価に基づいた評価が必要であると考えられる。本研究課題では、主観的な「地域の活力」の住民への地域意識や活力等の心理的側面への効果と「地域の活力」が感受される条件について主観的指標を用いて分析し、その基礎的な検討を行うとともに、インフラ整備が主観的地域活力に及ぼす影響について検討を行った。今年度は、研究最終年度として研究の取りまとめ、学会等での成果発表を行うとともに、コロナ禍による外出頻度削減などの社会的環境の変化が主観的活力に及ぼす影響について検討するため、追加調査を実施した。コロナ禍によって学会出張による旅費が不要となったことから、調査費に充当した。 調査では、以下の成果が得られた。 〇コロナ禍による主観的活力への影響の分析:因子分析によって、主観的地域活力に影響を及ぼす地域イメージの分類について、これまでの分析では「インフラ整備水準」因子に分類されていた「医療環境が整備されている」が「地域行政の取り組み」に含まれるなど、COVID-19の流行の影響と考えられる差異が示された。 〇外出やメディア利用が主観的地域活力に及ぼす影響の分析:コロナ禍による外出頻度やメディア接触の変化を把捉することで、地域の主観的活力に及ぼす影響を検討した。特に地方部では、外出による現実環境からの情報取得と比較し、メディア利用で接触される擬似環境はより広域的な集団によって共有されている情報を取得すると考えられる。分析の結果、地方部においてメディア利用が多い場合、外出が多い場合と比較して主観的活力が低い傾向が示された。
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