2016 Fiscal Year Research-status Report
最大エントロピー原理を用いた橋梁劣化予測分布導出モデル
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16K18170
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
全 邦釘 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 准教授 (60605955)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 劣化予測 / アセットマネジメント / リスク評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,橋梁のアセットマネジメントに必要となる劣化予測手法の改善を目指すものである.具体的には,モデル精度向上のための説明変数の追加,確定的な予測を行っていた従来の劣化予測手法を確率分布として予測する手法への質的改善,そしてそこからリスク評価を行うためのモデル提案,この3つの達成を目指している.当該年度においては,モデル精度向上のために橋梁劣化影響要因データを収集,評価し,説明変数を追加することを目指した.まず自治体や四国地整などに依頼して点検結果の提供を受けた.これらの点検結果の整理を行い,様々な情報を抽出した.例えば一般的に海岸からの距離は劣化と強い相関があると考えられているが,これは管理主体によっては必ずしも当てはまらないものであり,国が管理している橋梁はかぶり厚などが適切にとられているため必ずしもそのような相関は存在しないなどの情報が明らかとなった.また,テイル部を予測するためには予測分布を導出する必要がある.研究計画では一般化ガンマ分布の活用を計画していたが,階層ベイズ法の適用によりカバーできる見通しがたってきた.その結果,研究計画に挙げていたようなテイルリスクの評価ができるようになることはもちろん,個別橋梁ごとの最適点検間隔(現在は全ての橋梁で5年以内として統一されている)の提示などができるようになった.点検には現在多大なコストがかかっており,点検不要な橋梁をこの手法により検出することができれば,橋梁群のマネジメントに必要なコストを大きく低減することができる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成29年度に行う予定であった劣化度予測分布導出モデルの構築に,既に平成28年度より取り掛かっている.
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画の前倒しで既に劣化度予測分布導出モデルの構築に取り掛かっており,今年度はその結論を出すような計画で進めていく.また,テイルリスクの評価手法の提案についても今年度に終える.
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Research Products
(2 results)