2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K18181
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
崔 亨吉 室蘭工業大学, 工学研究科, 助教 (20726806)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 膨張材 / 水和反応 / 収縮 / ひび割れ / モデル化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、膨張材の収縮低減効果や膨張材の化学反応に着目して膨張材を混和したセメントの水和反応について検討するため微視的な観点からアプローチし、以下について検討を行った。 1.膨張材の収縮低減およびひび割れ抑制効果検討:膨張コンクリートを対象とし、拘束条件下での収縮低減やひび割れ抑制効果について検討した。実験は膨張コンクリートの温度依存性を確認するため、5℃, 20℃の養生条件で、圧縮強度などの基本特性を含め、自由膨張収縮実験および拘束収縮実験によって膨張材の効果を実験的に検討した。 2.膨張材を混和したセメントの水和反応モデル化:膨張材の反応はセメントとは異なり、膨張材の水和によって硬化初期において膨張力を発揮するため、セメントとは生成される水和物の量や密度が異なる。このような特性を含め、既往のセメントの水和反応との差別を考慮し、その特性に合うモデルの構築について検討した。水和初期段階での反応速度および水和後期の水和生成物の増加による組織の緻密化および拡散係数の減少などそれぞれの段階に影響を及ぼすパラメーターに対する検討を行った。それらに基づいて、セメントや膨張材の水和反応において、化学成分や鉱物造成特性のみによって、水和反応モデルの各係数を算定することで膨張材の水和反応をモデル化した。 3.水和反応モデルの検証:水和の進行によって発生する熱量をマルチマイクロ熱量計によって測定し、水和反応モデルから算出した発熱量の予測値とマルチマイクロ熱量計から測定した発熱量の実験値を比べることで水和反応モデルの妥当性を検証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
最初の計画のとおり研究は、順調に進行され、膨張材を混和したセメントの水和反応についてモデル化を行った。また、得られた研究成果をまとめ、論文を投稿するなど概ね順調に進展していると判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
年次計画のとおり研究を行い、以下について検討する。 膨張材を混和したセメントの水和反応モデルを基に、強度や体積変化、クリープ現象などについてモデル化を行い、検証することで汎用性のあるモデルを提案する。また、実験およびモデル化によって得られた結果に基づいて予測シミュレーションを行い、モデルに用いるパラメータの設定およびモデルの適合性を確認する。一方、本研究で構築したモデルを適用し、膨張材を混和したコンクリートの初期物性発現と、それに基づく応力の予測および予測した応力とコンクリートの強度の関係から、膨張材によるコンクリートの収縮低減およびひび割れ抑制効果を検討し、最終的には、膨張コンクリートのひび割れ予測最適化手法を提案する。 また、得られた研究成果は、国内・外に論文として発信する。
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Research Products
(3 results)