2017 Fiscal Year Research-status Report
遮蔽コンクリートのリスク評価に関する統一的データベースの構築
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16K18182
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| Research Institution | Osaka City University |
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Principal Investigator |
鈴木 裕介 大阪市立大学, 大学院工学研究科, 特任助教 (90635400)
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| Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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| Keywords | 損傷 / 遮蔽性能劣化 / 超弾性合金 / 残留ひび割れ幅 / 構造性能 / FEM解析 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究では，原発事故による放射能汚染物（特に，減容化されて高線量のγ線を放出する汚染物）を格納するための放射線遮蔽コンクリートに関し考慮されるべきリスクとして，コンクリート損傷部からのγ線漏えい及び漏水（水が遮蔽コンクリート内に浸入し放射性物質を溶出して汚染水となって外部に流出）といった課題を取上げ，これらについて統一的かつ定量的に評価可能なデータベースの構築を目的としている。平成29年度は、遮蔽性能劣化が明確に生じる、鉄筋コンクリート（RC）部材の過大な損傷の制御について検討した。
平成28年度のγ線遮蔽実験において、損傷（ひび割れ）の有無と損傷度（1本のひび割れ幅の大きさ）と遮蔽性能劣化に及ぼす影響について、遮蔽体の種類、密度、厚さ、ひび割れを模擬したスリット形状パターンなど様々なパラメータで実験的に検討した結果、幅0.5mm以上のひび割れとしてはかなり大きい幅となる以降に、明確な性能劣化を示すことを確認した。よって，本年度は、RC部材に過大なひび割れが生じた際の損傷制御について検討した。具体的には、RC部材の主筋の一部に形状記憶合金の一種である超弾性合金を配筋した梁部材の静的載荷実験を実施し、各変形角（部材角0.125～2.0%）で生じたひび割れ幅が、除荷後にどの程度回復するか確認した。その結果、一般的なRC部材が部材角2.0%まで達すると除荷後も幅0.5mm以上の大きなひび割れが残留することに対し、超弾性合金を適用した梁は部材角2.0%まで経験させても除荷後にはひび割れ幅0.3mm程度まで制御できることを確認した。一方、当実験内では、一般的なRC部材に対し、超弾性合金を適用した部材は耐力・剛性といった構造性能で不利になることを改善するための手法についても併せて検討した。並びに、本事件を模擬したFEM解析を実施し、当モデルの妥当性を検討した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成29年度は、当初、透水試験を実施する予定であったが、前年度の結果を受けて遮蔽体（コンクリート系部材）の損傷が過大になった際の損傷制御について検討を進めたためである。予定していた透水試験の試験体製作については、既に済んでいるため、最終年度にこれを実施し、まとめる予定である。
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| Strategy for Future Research Activity |
平成28年度に実施した遮蔽実験と同一パラメータの試験体（コンクリート製遮蔽板）を用いた、透水試験を実施し、損傷に対するγ線遮蔽性能劣化及び漏水量を統一的に評価する。並びに、明確な性能劣化を示す損傷が生じた際の損傷制御手法についての検討を進める。
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| Causes of Carryover |
本課題申請後に所属機関の移動があったため、当初計画の出張旅費を上回り使用しているが、実験の試験体を製作するための材料を、当初より大幅に廉価で購入できたため差額が生じている。実験に要する材料費及び消耗品費、実験の主な実施場所（福島県郡山市）への出張旅費として主な経費として計上予定である。
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