2018 Fiscal Year Annual Research Report
Fabrication and application of multiferroic nano-structural thin film
Project/Area Number |
16K18234
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
中嶋 聖介 静岡大学, 工学部, 准教授 (40462709)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 磁性ナノ微粒子 / ファラデー効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、光配線や光回路に関する研究が注目されており、特定の機能をもつ光導波路デバイスが重要な役割を果たすと期待されている。例えば、内部に種々のナノ微粒子を分散させた光導波路は、導波型デバイスとして様々な機能を発現する。本年度は、磁気光学特性を示す磁性ナノ微粒子に着目し、導波型デバイスの材料検討を行った。磁気光学効果であるファラデー効果は、磁性体中の透過光における偏光回転現象であり、光アイソレーターを始め磁界センサや電流センサなどに広く応用されているが、光導波路と組み合わせることで、既存の回路にも組み込み可能なマイクロセンサやマイクロアイソレーターが実現すると期待される。そこで、Fe3O4ナノ微粒子を分散させたシリカキセロゲルを作製し、フェムト秒レーザー照射による導波路形成を試みた。得られた導波路の伝播光に対してファラデー効果を評価し、導波型マイクロ磁気光学デバイスの実現に取り組んだ。共沈法により作製したFe3O4ナノ微粒子の分散水溶液を各種濃度で希釈し、シリコンアルコキシド、エタノール、及び塩基触媒を加えゲル化反応を進め、十分に乾燥させた試料に150℃の熱処理を行うことで、粒子の凝集のないキセロゲル試料を得た。このキセロゲルに再生増幅Ti:Sapphireレーザーを照射することで、バブルやクラックの発生が少ない高品質な導波路を作製することに成功した。平均粒径5nmのFe3O4ナノ粒子の体積/重量濃度が0.087及び0.148 mg/cm3となるキセロゲルにおいて、内部に描画した光導波路を透過する伝播光に対するファラデー回転角の磁場依存性を調べたところ、濃度の増加に対して大きな飽和回転角をもつフェリ磁性的な磁気光学応答が観測された。このことから、作製した光導波路が磁気光学素子としての機能を有することが示された。
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Research Products
(6 results)