2017 Fiscal Year Annual Research Report
Creation of dielectric materials for high-temperature capacitor applications using relaxor phases of A-site complex perovskites
Project/Area Number |
16K18241
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
萩原 学 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 助教 (30706750)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 誘電体 / 高温 / 複合ペロブスカイト / リラクサー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、非鉛系Aサイト複合ペロブスカイト型化合物の一つであるチタン酸ビスマスカリウム(Bi1/2K1/2)TiO3(BKT)をベースとした固溶体の組成探索により、300℃以上の高温まで使用可能な高温キャパシタ用の誘電体を開発することである。 これまでの研究において、BKTが示すリラクサー-強誘電体相転移の起源とそこに及ぼす外場の効果を明らかにした。研究の最終年度である本年度では、BKTに対して極低温まで強誘電体相に相転移しないチタン酸ストロンチウムSrTiO3(ST)を固溶させることでBKTのリラクサー相を安定化し、室温付近で高い誘電率を示す固溶体の作製を試みた。まず、BKTおよびSTの微粉体をそれぞれ水熱合成法により合成した。これらの微粉体を混合して反応焼結させることで種々の組成を有するBKT-ST固溶体セラミックスを作製し、その誘電特性を詳細に調べた。その結果、STを10%以上固溶させるとBKTが示すリラクサー相(高温相)から強誘電体相(低温相)への相転移が消失し、室温でもリラクサー化することがわかった。また、誘電率最大温度がBKTの約360℃からST固溶量50%の約50℃までST固溶料の増加に伴って大幅に低下した。その結果としてST固溶量50%の試料は室温から300℃までの広い温度範囲で1000以上でかつ温度変化の小さい誘電率を示した。これらの結果より、BKTをベースとした固溶体が高温キャパシタ用誘電体として有望であることが示された。
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Research Products
(3 results)