2016 Fiscal Year Research-status Report
液中伝播AE波を用いたセラミック複合材料の局所損傷モニタリング手法の開発
Project/Area Number |
16K18251
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Research Institution | National Institutes for Quantum and Radiological Science and Technology |
Principal Investigator |
野澤 貴史 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 六ヶ所核融合研究所 核融合炉材料研究開発部, サブリーダー (70455278)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 水中伝播アコースティックエミッション / 複合材料 / 損傷評価 / 位置標定 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は損傷時に複合材料から発せられるアコースティックエミッション(AE)の液中伝播挙動に着目し、高精度な位置標定を第一に検討し、局所損傷マッピングを可能とする新しい損傷モニタリング手法の確立を目的とした。平成28年度は水中伝播AEをSiC/SiC複合材料の損傷評価に初めて適用し、破壊位置の特定と損傷蓄積過程を評価した。具体的には、常温での水中伝播AEを用いた三次元位置標定手法の確立を目標に、最適AEセンサ配置、最適AEセンサ仕様、貼り付け方法等の検討を行った。 試験は、化学気相浸透法(CVI)法で作製されたSiC/SiC複合材料を供試材とし、水中にて四点曲げ試験を行い、水槽表面に設置した複数のAEセンサーで検出された液中伝播AE信号の到達時間を評価することで、き裂発生源の位置標定を行った。また、破壊に起因する信号とノイズを分離することで破壊に有意な信号についてのみ波形解析を行い、複合材料の損傷蓄積過程の評価を行った。 試験片への直接貼り付け法と同様に、水中伝播AE法においても破損を良く検出することに成功した。特に破損開始と良くリンクしたAE信号の検出(比例限度以下から有意な損傷の蓄積開始と破断まで断続的な損傷蓄積)が可能となったことから、複合材料の非破壊検査手法としての一定の適用性が示された。一方で、治具等の障壁によりAE波の伝達が阻害され、結果として標定位置に誤差が確認されたことから、測定精度の改善のため試験体系の最適化が必要との結論を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
一部に未解決課題が残されたものの、当初目的である水中伝播アコースティックエミッション法の適用性に関する一定の見通しが得られたため。
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Strategy for Future Research Activity |
試験体系の見直しを行い、測定精度を再確認した後、高温水を用いた試験や外乱因子の影響評価等のより複雑な体系での試験に移行する。
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Causes of Carryover |
当初予定していた1月の国際学会での成果報告を取りやめ、追加データ取得のための試験片の加工費に充当したが、結果として差額が生じたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
成果報告のため新たに参加することを決めた5月開催の国際学会の参加費等に充当する。
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Research Products
(1 results)