2017 Fiscal Year Annual Research Report
Study on new magnetostrictive materials using spin state and unusual crystal orientation dependence
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16K18262
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Research Institution | Ibaraki National College of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 桂輔 茨城工業高等専門学校, 国際創造工学科, 准教授 (10418212)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 磁歪 / コバルト酸化物 / 結晶方位依存性 |
Outline of Annual Research Achievements |
La1-xSrxCoO3(x=0.2)の磁歪の結晶方位依存性について,磁歪の機構についての議論も含めて論文としてJournal of Alloys and Compounds(752 (2018) 327-331)に発表した.磁場を[111]c方向または[110]c方向(添え字のcは擬立方晶を表す)に印加した場合には,磁歪は大きなヒステリシスと残留ひずみを示した.[111]c方向では約0.5 Tの磁場で磁歪が急激に変化し,[110]c方向では3 Tで変化した.一方,磁場を[001]c方向に印加した場合には,9 Tまで磁場を印加しても,ヒステリシスも残留ひずみも発生しなかった.[111]c方向または[110]c方向に磁場を印加した場合のヒステリシスと残留ひずみは,[111]r方向が磁化困難軸である菱面体ドメインの再配列によって説明できることがわかった.昨年度のほぼ単一なドメインを用いた磁化測定から,一軸磁気異方性定数Ku1=-1.2x10^5 J/m^3であることがわかった.これは,磁気形状記憶合金Ni2MnGaの磁気異方性定数Ku1=2x10^5 J/m^3と同程度の大きさである.このモデルを用いて,[111]c方向と[110]c方向で磁歪が急激に変化する磁場が変わる原因を定性的に説明できた. [001]c方向のヒステリシスと残留ひずみの無い磁歪は,全てのドメインの[111]r軸の[001]c方向への射影が等しいために生じると考えられる.全てのドメインで見た場合には,磁気異方性がなくなる.このようにして,La1-xSrxCoO3(x=0.2)の奇異な磁歪の結晶方位依存性は説明することができる. LaCoO3のLaをBiで置換した固溶体は,LaCoO3の磁化の温度依存でみられる100 Kの転移が低温側へシフトするのを確認できた.しかし,依然として不純物が多く議論ができていない.
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Research Products
(3 results)