2016 Fiscal Year Research-status Report
感性工学に基づく金属組織形態の自動定量評価技術の開発
Project/Area Number |
16K18264
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
平田 直哉 東北大学, 工学研究科, 助教 (70507897)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 画像処理 / 感性工学 / マセマティカルモルフォロジ / 半凝固鋳造 / メタセラ |
Outline of Annual Research Achievements |
材料の性質は,顕微鏡等により観察できる組織の存在形態(大きさや形状など)と強い相関を持っていることはよく知られている.組織形態を正確に評価することで,材料の性質を推定できるだけでなく,発現メカニズムの解明や性質の向上,製品生産技術の改善等に応用が可能である.一方で,現在は組織形態評価は人間の判断の占める割合が大きく,評価者の「感性」に大きく左右される.またそのため大量の情報を処理することも困難である.本研究はこの人間の「感性」を定量化するための有力な技術のひとつである「マセマティカル・モルフォロジ」を用いることで,金属組織の自動定量評価するための技術の確立を目指すものである. 画像処理を行う場合、まずは計測対象となる試料もしくは画像を作成する.そして人間が判断しやすい可視化,もしくはコンピュータが判断しやすいセグメンテーション(白黒による二値化など)を行う.その後,何らかの方法で対象を認識し,定量的な形態情報を抽出することで計測を行う.初年度はこのセグメンテーション技術に関し、半凝固金属の初晶を人間の感性に近い形で半自動的に抽出する技術に関する開発を行った。Watershed手法を適用し、その他周辺技術を改善することで写真の撮り方によりバラツキの多かった自動セグメンテーションの精度を上げることができた。来年度はこれらの成果をもとに、半凝固金属の組織写真やメタセラ材料の扁平粒子の形態評価を行い、特性との関連を調べることで定量的な評価技術確立を目指し展開していく予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究においては、人間の感性に近い形のセグメンテーション技術、そしてセグメンテーション後の形態評価技術の開発が主軸となっている。初年度はいずれのケースにおいてもマセマティカル・モルフォロジ技術を応用し、半凝固金属およびメタセラ材の扁平粒子のセグメンテーション精度の改善を行うことが出来た。 当初予定では初年度にセグメンテーション技術、次年度に形態評価技術を予定していたため、進捗は概ね順調と考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
初年度では、セグメンテーションに関する基礎開発を行った。従来法に対し、より簡易的に人間の感性に近い形のセグメンテーションを行うことが可能となり、多くの画像を形態評価するための前処理技術を確立できたと考えられる。次年度はこの技術をもとにして、形態評価を行い、実際の材料の特性との関連を調べることで、特性発現の支配因子の統計的推定を試みる。
|