2017 Fiscal Year Annual Research Report
Origin of mechanical property improvement in bulk metallic glasses through microstructural control
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16K18267
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
足立 望 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00758724)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 金属ガラス / 巨大ひずみ加工 / 活性化体積 / 構造緩和 / アモルファス / 変形機構 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,金属ガラス内に存在する,「β 緩和領域」および;「自由体積」を組織因子と して捉え,力学的高機能化のメカニズムを明らかにすることによって,結晶金属における転位の ような,アモルファスの変形の支配因子およびその制御手法を解明し,組織制御に基づいたアモ ルファスの力学的高機能化を提案することを目的として行った. アモルファスの組織は,高圧下ねじり加工(HPT)および熱処理を施すことで,組織因子である「β緩和領域」や「自由体積」の量を定量的に制御可能できることを示した.また,このプロセスによって,従来のアモルファスでは得られない引張延性を得ることに成功した.特に,熱分析により測定されるβ緩和領域の量と,引張試験により得られたアモルファスの引張延性は良く対応しており,β緩和の制御がアモルファスの力学的高機能化に重要であることが示唆されている. HPTによって得られる特徴的な引張延性の発現機構を,引張試験およびナノインデンテーションにおける力学応答(ひずみ速度依存性など)から調査した結果,塑性変形の律速過程を特徴づけるパラメータの一つである活性化体積が非常に大いことを明らかにした.これは,アモルファスの変形機構であるSTZがより大規模であり,かつ用意に活性化することを示唆している. HPTによって形成される組織の調査にはX線および中性子小角散乱法を組み合わせた手法を利用することで行った.その結果,アモルファス構造を保ちながらも,自由体積および組成のゆらぎを有する不均一組織を有しており,この不均一構造の体積割合はβ緩和量と良く対応することから,自由体積が多い領域においてβ緩和が生じると推察される. 以上の成果から,アモルファスの力学的高機能化には,β緩和が顕著に生じる領域を構造内に不均一に導入された組織が重要と考えられる.
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Research Products
(4 results)