2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a forward osmosis membrane system targeting to oily wastewater
Project/Area Number |
16K18280
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
安川 政宏 山口大学, 大学院創成科学研究科, 助教 (20647309)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 正浸透 / 正浸透膜 / 界面重合 / 有機溶媒耐性 / 濃縮 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に作製した有機溶媒耐性を有する正浸透(FO)膜を用いて、浸透圧駆動の透水試験を実施した。まずはモデル有機溶媒としてN-メチルピロリドン(NMP)を選定し、各NMP濃度におけるNMP含有水溶液の浸透圧を測定した。NMP含有水溶液の浸透圧は、解析に用いたビリアル展開式から算出された溶質分子量と実際のNMPの分子量が良好に一致したため、得られた浸透圧が妥当であることを確認した。次にNMP溶液濃度を変更し、浸透圧(FO)駆動による透水試験を実施した。モデル駆動溶液(DS)として5MのNaCl水溶液を選定し、5~75wt%のNMP含有水溶液からのDSへの水の引き抜き(=濃縮)をそれぞれ行った結果、5~40wt%のNMP含有水溶液を濃縮対象溶液(FS)に用いた場合において、濃縮によってFS中のNMP濃度が増加することを確認し、実際にFO駆動による濃縮が可能であることが明らかとなった。これは市販のRO膜やFO膜を用いた場合では有機溶媒耐性がないために検討することができず、本有機溶媒耐性FO膜を用いた場合にのみ達成可能な成果である。濃縮倍率は、膜面積が42cm2・濃縮時間が10時間の実験条件において、約1.4倍~10倍であった。一方、FSが75wt%のNMP含有水溶液の場合はFO駆動による透水がほとんど観測されず、濃縮が困難であることがわかった。 また上記のNMP含有水溶液を濃縮試験後のFO膜の性能劣化について調査を行った結果、5~55wt%までNMPを濃縮した場合においてはFO膜の劣化(活性層の性能および支持層の性能)は観測されず、繰り返し有機溶媒含有廃水の濃縮に使用できることが明らかとなった。
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