2017 Fiscal Year Research-status Report
多孔質微粒子からポーラス膜への成形技術の開発と電極材料としての応用
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16K18282
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
木下 卓也 関西大学, 環境都市工学部, 准教授 (90453141)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 燃料電池 / 噴霧熱分解法 / 薄膜・微粒子形成操作 |
Outline of Annual Research Achievements |
低温でも作動可能な固体酸化物形燃料電池(SOFC)の電極膜の開発をめざし、多孔質微粒子から多孔質膜(ポーラス膜)への成形技術を確立する。申請者が開発した改良型噴霧熱分解法により合成したスポンジ状多孔質微粒子を、多孔質構造を維持したまま成膜する。膜の多孔質構造により燃料電池としての性能の向上をめざす。最終的には、セラミックポーラス膜を成形する汎用技術として確立する。 電極膜の原料として用いる多孔質微粒子を改良型噴霧熱分解法で合成した。燃料極の材料としてNiとGd-Ce酸化物の複合微粒子を合成するため、Ni、GdおよびCeの硝酸塩を溶解した水溶液にクエン酸と界面活性剤CTABを添加した。これを超音波振動子で霧化し、管状電気炉で600~1200℃に加熱した反応管にキャリアガス(Air)で随伴導入し、生成粒子を静電捕集器により回収した。硝酸塩、クエン酸の濃度、合成温度、加熱部の滞留時間を変え、種々の多孔質粒子を合成した。合成粒子の構造を電子顕微鏡観察した結果、従来のクエン酸だけを添加した粒子は表面には空孔が開いておらず、新たにCTABも添加した粒子では表面に空孔が開くことがわかった。また、製膜条件を制御することでポーラス膜の作製にも成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
粒子の合成技術と、製膜技術の条件が制御できており、順調に研究が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度であるので、これまでの技術をまとめ、セラミックポーラス膜を成形する汎用技術としての確立をめざす。また、成果をまとめて学会や論文での発表を行う。
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Causes of Carryover |
研究が順調に進んだため、実験に必要な消耗品などの費用が予定よりも少なく済んだため次年度使用額が生じた。今年度は製膜雰囲気を制御できる電気炉を新たに調達する。また、粒子合成の原料試薬、製膜時に必要なガスやガラス器具などの消耗品の調達費として経費を使用する。
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