2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development and application of 3D-imaging-XAFS technique that can visualize the catalytic active domain in practical materials
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16K18288
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松井 公佑 名古屋大学, 理学研究科, 助教 (90754309)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | XAFS / CT / 可視化 / 固体高分子形燃料電池 / 酸化鉄 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、実固体触媒材料のイメージングXAFS解析を通し、材料の活性・劣化・溶出に関連する因子・メカニズム解明を行った。 (1) 固体高分子形燃料電池の劣化前後におけるオペランドCT-XAFS解析 3次元のイメージング手法であるコンピュータートモグラフィー法とXAFS分光法を組み合わせた、新規なイメージング分光法 (CT-XAFS法) を開発し、固体高分子形燃料電池 (PEFC) の膜電極接合体 (MEA) に対し、カソードのPt/C触媒の分布、及び酸化状態の3次元可視化を試みた。加速劣化試験を実施する前後の同一試料に対して計測を行い、CT-XAFSデータの比較を試みたところ、MEA作製時に入ったとみられるクラック構造に分断された試料内部の3次元のモルフォロジーに加え、Pt触媒が価数変化を伴い、不均質に溶出・凝集する様子が観察された。この知見は、触媒層に入ったクラック構造により触媒の溶出・劣化が加速される可能性を示すものであり、PEFCの劣化抑制に向けた実セル内部の劣化過程の詳細を世界に先駆けて可視化することに成功した。 (2)酸化鉄結晶内のレドックス過程におけるドメイン分布の可視化 酸化鉄は、安価で豊富なユビキタス元素で構成され、磁気・電子・触媒用途など様々な応用が可能な機能性材料である。本研究では、自然界に存在する3種の結晶相 (Fe3O4, γ-Fe2O3, α-Fe2O3) に関して、その構造相転移のメカニズム解析を行うため、昇温反応中のin situ XAFS解析に加え、フレネルゾーンプレートを用いた硬X線イメージングXAFS計測をSPring-8において立ち上げ、合成したミクロン大の樹状粒子内における結晶相の分布をイメージングした。その結果、クロムを10%導入した結晶において、スピネル構造の安定性が認められ、また、そのスピネル構造のドメインサイズが大幅に大きくなる様子が可視化された。
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Research Products
(27 results)