2017 Fiscal Year Annual Research Report
Research on hypergolic thruster with sodium and water
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16K18316
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Research Institution | Japan Aerospace EXploration Agency |
Principal Investigator |
畑井 啓吾 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 研究開発部門, 研究開発員 (80747808)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ナトリウム / スラスタ / 自己着火 / 水 |
Outline of Annual Research Achievements |
金属ナトリウムと水を反応させるタイプの自己着火スラスタについて、スラスタ形態での噴射試験を行い、正常な噴射に成功した。金属ナトリウムと水の組合せのスラスタは国内外とも例が無く、スラスタ形態での噴射を実証した例は初である。 ナトリウムは約150℃程度まで加熱することで液化させインジェクタから液体状態で噴射した。昨年度実施したインジェクタ形態での噴射試験の結果、水と十分反応しないままナトリウムが飛散し、燃焼室内面等に体積する現象がみられていたため、その反映として、金属ナトリウムは中心軸1点から噴射し、それを取り囲むように4方向から水を斜めに衝突させることで、気化・混合しにくい金属ナトリウムを効率的に水と反応させることを可能とした。 課題点として、金属ナトリウムの酸化被膜と思われる固形物がインジェクタ穴孔を塞ぎ、液化したナトリウムが噴射されないという事象が何度か発生した。この現象は酸素の無い宇宙空間では起きることは無いと考えられるが、地上で試験を行う際には、ナトリウムが噴射できない、想定のインジェクタ差圧に対して流量が十分に流れない、といった問題を招くため、今後の研究によって解決策の検討が必要である。
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