2016 Fiscal Year Research-status Report
現場適応型観測経路に基づく複数の自律型海中ロボットの協調探査の実現
Project/Area Number |
16K18317
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松田 匠未 東京大学, 生産技術研究所, 特任研究員 (80759861)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 自律型海中ロボット / マルチロボット / 協調 / 海底探査 / 地形計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では未知の海底環境を効率的かつ正確に可視化するための新たな探査手法として,複数の自律型海中ロボット(Autonomous Underwater Vehicle: AUV)が探査海域の環境計測に基づき,現場に適応した観測経路を全自動で構築し,実施する手法を提案する.これまで開発を行ってきた複数AUVのうちの1台が海底に着底し,測位のランドマークとなる手法(相互ランドマーク測位手法)をベースに開発を行う.本年度に開発した項目を以下に示す. 1)音響地形計測センサによる地形マップの作成とそれに基づく特徴的な観測対象の自動抽出方法の開発:AUV "Tri-Dog 1"に地形計測センサ(837B Delta T: Imagenex社)を実装した.実験水槽に観測用のターゲットを設置し,その上をAUVが地形計測しつつ航行する試験を行った.そしてAUVが計測した地形データをもとにターゲットを自動抽出する手法を開発した.本手法では,まずAUVが推定した自己位置と地形計測データをもとに,3次元の地形データを生成する.次に得られた地形データを水平位置でグリッド状に分割し,最急降下法により傾斜を有するエリアを抽出する.本手法によりターゲットのみを自動で抽出できることを確認した. 2)相互ランドマーク測位手法の拡張:本項目は当初の計画にはなかったが,相互ランドマーク測位手法の拡張として3台の場合について開発を行った.3台の場合は,1台が海底に着底し,残りの2台が着底AUVを測位基準として同時に観測行動を実施する.AUV "Tri-Dog 1", "Tri-TON", "Tri-TON 2"に手法を実装し,水槽にてプログラムの動作検証を重ね,適切に動作するように改良を行った.さらに海域にて初の3台による協調探査試験を実施し,測位精度および調査効率の観点から手法の有効性を実証した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
AUVに地形計測センサを実装し,水槽で実機による計測試験を行った.そして水槽試験の地形データから特徴的なエリアを自動抽出する手法の開発まで完了した.また当初の計画にはなかったが,初の海域での3台のAUVによる協調探査試験も行い,相互ランドマーク測位手法の将来性を示す有効な結果を得ることができた.
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Strategy for Future Research Activity |
現在は水槽で得られた地形データをもとに観測経路を自動生成する手法を開発中である.本手法をAUV "Tri-Dog 1" と "Tri-TON"に実装し,水槽にて協調観測試験を実施する予定である.水槽で手法の有効性を確認し,年末には海域での試験も予定している.
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Causes of Carryover |
水中計測機器(110万円)の納品が年度末に間に合わず,購入できなかったため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記の計測機器を購入予定である.また次年度は大型水槽および海域での性能評価試験を実施するため,実験機材や旅費の支出を予定している.研究成果を国際学会および論文等で発表するため,出張費や論文投稿費の支出も予定している.
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