2017 Fiscal Year Annual Research Report
Study on the friction drag reduction by electrolytic precipitation method
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16K18328
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Research Institution | National Institute of Maritime, Port and Aviation Technology |
Principal Investigator |
拾井 隆道 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, その他部局等, 研究員 (60734233)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 摩擦抵抗低減 / マイクロバブル / 乱流 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度、乱流中で電解沈殿法を行うと微小気泡のみが発生する陰極下においても、微小粒子と気泡が発生する陽極下と同程度の流場変化が得られること、また微小粒子の粒子径はナノスケールであることが分かった。これより電解沈殿法による流場変化は微小気泡の影響が支配的である事が示唆された。そこで本年度は、微小気泡のみによる抵抗低減の検証を行った。また電極を電解沈殿法で用いられる導電性銀塗料からアルミニウムに変更し電気分解を行い、微小気泡のみを発生させた。実験は水平チャネルにおいて行われ、断面内平均流速は1m/s、レイノルズ数Remは約20000であり、最大300mAの電流を印加し電気分解を行った。 まず電極の下流にせん断力センサーを設置して抵抗低減の直接計測を試みたが、電極が発生する磁場により磁気抵抗効果が生じひずみゲージの抵抗係数が変化してしまうため、計測を行う事は不可能であった。 次にSIT(Shadow Image Technique)により気泡径を計測したところ、気泡径の最頻値は電流値に依らず5~10μm程度であるが、平均気泡径は増加する事がわかった。 またPIV(Particle Image Velocimetry)により気泡が流場に与える影響を評価した。本計測では液相速度に気泡速度が含まれている可能性があるが、壁面近傍のレイノルズ応力分布の減少を確認した。レイノルズせん断応力と摩擦抵抗との間に成り立つ恒等式であるFIK恒等式を用いて摩擦抵抗係数に対する乱流成分の減少量を定量化したところ、平均ボイド率2.9E-4%という非常に小さいボイド率にも関わらず約6.4%乱流成分が減少することが明らかになった。また四象限解析により、この乱流成分の減少は乱れエネルギーの生成に寄与しないOuter interaction及びInner interactionの頻度が増加に起因することが分かった。
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