2016 Fiscal Year Research-status Report
リチウムナトリウム合金を用いた液体ブランケットシステム構築のための材料基礎研究
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16K18339
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
八木 重郎 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 助教 (70629021)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | リチウムナトリウム合金 / 水素溶解度 / セラミックス / 液体トリチウム増殖材 |
Outline of Annual Research Achievements |
リチウムナトリウム合金中における絶縁用セラミックスの共存性についてポット試験を実施した(600℃120時間)。試験対象としたセラミックスは酸化チタン・チタン酸カルシウム・ジルコン酸カルシウム・酸化エルビウム・酸化イットリウムであり、これらのタブレットをSUS316L容器内にて、溶解した純リチウム・純ナトリウムおよび、50at%のナトリウムリチウム合金中に浸漬した。試験後は液体金属を水溶処理(エタノール・水・塩酸により溶解)し、溶出成分をICP発光分析・原子吸光分析により定量したほか、洗浄後セラミックサンプルの形状・重量の変化を観察した。形状の変化については従来研究にて報告されていた純リチウム中での共存性研究にて報告されている挙動と概ね似た傾向を示したが、熱力学的還元性から予想されるような腐食量:Li>Li-Na合金>Naといった単純な並びでなく、特にカルシウムジルコネートにおいては純Na中のものが最も損傷する、といった挙動を示した。酸化エルビウムの場合、いずれの液体金属中でもタブレットは残存していた一方で、エルビウム溶出量はLi>Li-Na合金>Naとなった。結論としては、リチウムナトリウム合金中においてはジルコン酸カルシウムおよび酸化エルビウムが比較的良好な共存性を有するといえ、これらに注力してさらに試験を進めることとした。 純鉄管キャプセルを用いた水素溶解度測定については、従来試験の再確認を行ったほか、重水素利用のための環境整備が完了した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の目的としていた酸化物セラミックスのスクリーニングは完了した。水素溶解度測定については従来結果の再確認という形であったが、全体としては概ね順調に進展している
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Strategy for Future Research Activity |
セラミックスの耐食性についてはスクリーニング結果に基づき、温度・時間条件を変えてさらに試験を進展させる。また年度内にサンプルの調達ができなかった窒化アルミ・炭化ケイ素等のセラミックスのポット試験を実施する。他については当初の予定に従い研究を進める。
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Causes of Carryover |
セラミックス浸漬試験と水素溶解度測定試験の一部が遅れたため、年度内の使用が予定よりも少なくなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
29年度に当該内容も含めて実施するために、残額分も全額使用する。
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