2018 Fiscal Year Research-status Report
低温排熱有効利用のための階層的細孔構造を有する高性能水蒸気吸着材の開発
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16K18357
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
藤木 淳平 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 特任助教 (20530190)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | カーボン / 窒素官能基 / 水蒸気吸着 / マイクロ波加熱 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、窒素含有カーボンの特異的な水蒸気吸着性能に着目し、カーボンの細孔特性および表面化学構造が水蒸気吸脱着特性に及ぼす影響を解明することで、高性能吸着ヒートポンプ・デシカント用多孔質カーボンの開発に繋がる知見を得ることを目的とする。本年度は、昨年度までに行った密度汎関数法を用いた水蒸気吸着を促進する可能性のある表面官能基の推算結果に基づき、当該表面官能基量の増大を図り、表面官能基による吸着性能向上を検討するため窒素含有カーボンの合成法の改良試験を実施した。マイクロ波を利用した窒素含有カーボンの合成法を検討した結果、加熱炉による炭化賦活工程をマイクロ波加熱に置き換えるだけではプレカーサーのマイクロ波吸収が低く十分な温度に達せず、炭化賦活が生じないため、これまでの合成法を見直す必要があると示唆された。更なる検討の結果、マイクロ波によるプラズマ放電を利用することで、炭化賦活が可能であることが明らかになったが、マイクロ波の照射条件と炭化状態の関係は未だ十分に明らかではなく、より詳細な検討を実施する必要がある。また、合成規模を大きくすることを考えれば、プラズマ放電を利用する合成法は制御が難しいと考えられるため、プラズマ放電を利用しない合成法についてもプレカーサー調製方法や炭化賦活を行う際のリアクター改良など改善検討の余地がある。以上の結果より、合成方法の最適化に関連した詳細検討を次年度実施することとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度までの遅れに加え、多孔質カーボンの合成実験検討から、より精密な実験条件の検討が必要であることが示唆されたため。
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Strategy for Future Research Activity |
多孔質カーボンの合成実験検討から得られた知見に基づき精密な実験条件の検討を実施し、合成法の最適化を図り、水蒸気吸着性能向上への知見を得る。
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Causes of Carryover |
研究進捗状況を考慮して当初予定していた学会発表を次年度に延期したため、差額が生じた。残金は学会での成果発表および追加実験の費用に充てる。
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Research Products
(3 results)