2018 Fiscal Year Annual Research Report
Cerebellar motor control of the oculomotor system
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16K18360
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
高橋 真有 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (50581344)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 眼球運動 / 小脳 / 上丘 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、サルの随意性眼球運動(サッケード)系において、小脳神経回路網を同定した後に、サッケードを訓練したサルで、神経活動の記録と破壊実験を組み合わせて、小脳の随意運動制御の動作原理と小脳障害の病態生理の解明を行うことを目的とする。小脳失調の中核症状は、「推尺異常」であると考えるので、この運動制御異常の病態生理を明らかにし、小脳機能の動作原理を解明したい。これまで、ネコでの主に急性実験を行い、小脳への入力、および小脳からの出力に関する詳細な神経回路についてのデータを得た。次の段階として、本年度はネコで得られたこれらの詳細な神経回路が、サルでも成り立っているかを、上丘、小脳で確認をした。 本年度は、3D眼球運動(特に回旋成分)を解析するため、アイコイルを使わない赤外線高速ビデオカメラ(sampling rate, 500Hz)を用いた記録装置を作成した。さらに回旋成分をoff-lineで虹彩紋理のパターン認識を用いて解析し、Fick座標からクォータニオンを用いて回旋成分を計算し、Listing座標で表示するmatlabプログラムを完成させた。そのビデオシステムを用いて、visually-guided saccade, delayed saccade, memory-guided saccadeをサルに訓練した。MRIを用いて、上丘、小脳のターゲットを計算し、記録用・刺激用チェンバーを植えた。眼球運動中のユニット記録と微小電流刺激法を用いて上丘を同定し、さらにそこでの詳しいtopographyを明らかにした。次に、小脳虫部からユニット及び電場電位記録を行い、左右上丘からの苔状線維入力と登上線維入力についての解析を行って、上丘投射部位を決定し、現在そこでのユニット活動と眼球運動の関係の解析を継続中である。
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