2016 Fiscal Year Research-status Report
2光子多細胞機能イメージングにより解明する一次運動野第6層の神経活動
Project/Area Number |
16K18370
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田中 康裕 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (20533128)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 大脳皮質 / 第6層 / 運動野 / 2光子イメージング / カルシウム |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の目標は(1)第6層に分布する視床投射ニューロンと皮質間投射ニューロンの2種類を先にレトロビーズにより標識したうえでさらにRCaMPによる標識を行い、イメージングすることが可能かを検討する。(2)衝動性を調べる課題を構築することであった。 (1)については、ヒトシナプシンプロモーター制御化でRCaMPを発現させたところ、脳表から800-1000マイクロメートル付近の第6層でも安定した記録が可能となった。さらに、事前のレトロビーズでの標識については、固定脳透明化技術により、カルシウムイメージングを行った細胞について標識の有無を判定することができた。注入されたビーズは軸索より取り込まれ一次運動野第6層の皮質視床投射ニューロンと皮質間投射ニューロンを標識できる。赤のレトロビーズはRCaMPと色が重なってしまうが撮像法を工夫することでRCaMPと区別してイメージングすることに成功した。 (2)については、自発的なレバー引き活動において、レバー引き終了後、次のレバー引きを開始するまでの時間を待ち時間と定義した場合に、短い待ち時間と長い待ち時間を区別して報酬を選択するような行動課題を確立した。しかし、自発的レバー引きにおいては動物が待っているのか、課題自体を無視しているのかが明らかでないケースも見られた。そこでキュー刺激を与えて、キュー以降の時間を待ち時間と定義し、待った後に行動を起こすことができるかを検討した。レバー引きの前段階としてリッキング課題により検討したところ、短い待ち時間であれば待てることを確認した。どの程度まで長い時間待つことができるかは今後の課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
第6層の神経活動を安定的に記録できた。また透明化技術との組み合わせによりイメージングした神経細胞を分類することも可能となった。マウスの行動課題についての検討も、自発的な運動の場合に加え、キューがある場合の行動についても検討を開始している。
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Strategy for Future Research Activity |
6層神経活動についてのデータを取得したので、それらの解析を進める。 衝動性課題について検討を重ね、衝動性課題実行時の6層活動を2光子イメージングにより検討する。
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