2017 Fiscal Year Annual Research Report
Neural basis of visual feature perception: investigation with optogenetically induced illusory perception
Project/Area Number |
16K18372
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
坪田 匡史 国立研究開発法人理化学研究所, 脳科学総合研究センター, 基礎科学特別研究員 (90739145)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 視覚認知 / マウス / 光遺伝学 / 光イメージング / 神経可塑性 / ニューラルネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
大脳皮質において主に視覚情報を司る領域である視覚野は、階層構造を形成している。先行研究から、視覚野の各領域において、視覚情報の中から特徴 (方位など) を抽出するための情報処理が行われていることが知られている。本研究課題は、方位を弁別する課題を遂行中のマウスにおいて、特定の方位に選択性を持つ細胞群を人工的に活性化した際の行動等への影響を調べることを目的とするものである。 平成28年度には、視覚野における特定の細胞群のみをin vivoで選択的に活性化するための新規手法の確立を行った。平成29年度にはその手法をさらに発展・応用し、特定方位に選択性を持つ単一神経細胞とその他の細胞群とを一定の時間間隔で繰り返し刺激する実験を行ったところ、それらの神経細胞群の間の機能的結合に予想外の可塑的変化が起こることを発見した。すなわち、単一神経細胞が選択性を示す方位とは直交する方位に選択性を示す神経細胞群との間の機能的結合が選択的に強化される実験的エビデンスを見出した。当該結果は、本研究で新規手法を確立したことで得られた発展的な結果であって重要な意義を持つと考えられ、現在学術雑誌に論文として投稿準備中であるとともに、第47回北米神経科学学会等で発表を行った。当該結果の背後に存在すると考えられる、視覚野神経回路におけるネットワークレベルでの可塑的変化のルールについて、ニューラルネットワークモデルなども使用しつつ今後研究を更に進めていく予定である。 また、平成28年度に確立した、マウスに対する方位弁別課題の訓練方法の最適化に係る研究結果を、平成29年度に論文として出版した (「研究発表」を参照)。
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