2017 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of function of glycogen metabolism in the neural stem cell
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16K18396
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
後藤 仁志 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20462202)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | グリコーゲン代謝 / 神経幹細胞 / 神経 / 発生 / 細胞内代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
グリコーゲン代謝は、単純にエネルギーの貯蔵を担うのみならず、細胞の増殖・分化・老化など様々な生物現象にかかわる細胞内エネルギー代謝経路である。我々は、神経系の発生におけるグリコーゲン代謝経路の機能を解析している。 前年度までの予備的な解析によって、グリコーゲン代謝に関与する酵素は発生期の大脳皮質において神経幹細胞に多く発現が認められ、分化した神経細胞では減弱していることを見出している。また、子宮内電気穿孔法を用いた解析からグリコーゲン代謝に関わる重要な酵素であるGlycogenin(Gyg)遺伝子発現をshRNAを用いてノックダウンすると、神経幹細胞の分化が誘導されることを見出していた。 本研究においてCrispr/Cas9法を用いたGygのホモノックアウト個体を作製・樹立したところ、新生仔致死となることを見出した。Gygノックアウトマウスにおける神経幹細胞の増殖・分化等を細胞増殖に対するマーカーの発現をもとに解析したところ、14.5日齢の神経幹細胞の増殖に差異が認められた。更に、E14.5日齢のbromodeoxy uridineで増殖細胞を標識し、E18.5日齢でその分化を解析したところ、細胞移動に異常が認められることを見出した。 また、E14.5日齢のノックアウトマウス及び野生型マウスの前脳からmRNAを抽出し、差異の認められる遺伝子をRNA-seqにより解析した。前年度に行った同様の解析では多くの性染色体由来の遺伝子が候補となったことから、本年度には得られた胎児の性別をPCR法によって判定し性別をそろえた胎児脳で比較を行った。その結果、翻訳の制御などに関わる遺伝子が発現に差異のある候補分子として変動が認められた。個別の因子に関しては今後の研究でグリコーゲン代謝との関連を解析する予定である。
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Research Products
(2 results)