2016 Fiscal Year Research-status Report
肝傷害誘導モデルマウスを用いたin vivoにける肝臓分化誘導法の確立
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16K18403
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Research Institution | Central Institute for Experimental Animals |
Principal Investigator |
樋口 裕一郎 公益財団法人実験動物中央研究所, 実験動物研究部, 研究員 (00596281)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 胎仔肝 / TK-NOGマウス / 肝臓形成不全 / 胚盤胞補完 |
Outline of Annual Research Achievements |
胎生14.5日目のTK-NOGマウス胎仔肝よりRNAを回収し、HSV-TKの発現をRT-PCRによって確認した。その結果、肝障害が誘導される成体のTK-NOGマウス肝臓組織と比較して、胎仔肝でのHSV-TK発現量は非常に低いことを確認した。胎仔期に肝臓形成不全を誘導するのは困難であると推測されたものの、肝臓形成不全が起こることを期待して妊娠個体へのGCV投与を行った。胎生10.5日目と12.5日目にGCVを投与し、胎生14.5日目で肝臓発生への影響を観察したところ、雌雄とGCV投与の有無に関係なく肝臓形成不全の表現型は観察されなかった。以上の結果より、TK-NOGマウス胎仔へのGCV投与による肝臓形成不全の誘導は難しいものと判断した。 TK-NOGマウス胎仔肝の形成不全を誘導できなかった原因として、HSV-TK遺伝子の発現量が十分でなかったことが挙げられる。そこで肝芽細胞においてアルブミン(TK-NOGマウスのプロモーター配列)の倍以上の発現量を示す、αフェトプロテイン(Afp)に着目した。先行報告よりマウスAfpプロモーター配列をクローニングし、この配列下にGFPをつなげたプラスミドベクターを構築し、Afp陰性のマウス胎仔繊維芽細胞(MEF)とAfp陽性のマウス肝臓細胞株(C3H)に導入してプロモーター活性を検証した。その結果、MEF ではGFPの発現が見られないのに対し、C3HではGFPの発現が見られることを確認した。現在、このプロモーター配列にHSV-TK遺伝子をつなげたTgを構築し、新規肝臓形成不全マウス(Afp-TKマウス)の作製を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
TK-NOGマウスを用いた研究の推進は難しいことが明らかになったものの、新規肝臓形成不全マウス(Afp-TKマウス)の作製も同時に進めているため、研究全体の進捗には特に問題ない。
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Strategy for Future Research Activity |
Afp-TKマウスについて、現在までに次世代へのTg伝達と、胎仔肝におけるTgの発現を確認している。今後は母体へのGCV投与による肝臓形成不全の誘導を行い、多能性幹細胞の移植による肝臓補完を進めていく。
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Causes of Carryover |
必要物品の購入を行なった際に余剰金が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
消耗品の購入に充てる。
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