2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of in vivo cytotoxicity assay system using humanized mice maintaining human mature NK cells for long-term
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16K18405
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Research Institution | Central Institute for Experimental Animals |
Principal Investigator |
片野 いくみ 公益財団法人実験動物中央研究所, 実験動物研究部, 研究員 (90442558)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ヒト化マウス / NOGマウス / NK細胞 / IL-15 / ADCC |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、ヒトNK細胞を長期間維持できるNOG-human IL-15トランスジェニック (NOG-hIL-15 Tg)マウスの特性を生かし、ヒトNK細胞を介した分子標的抗体の抗体依存性細胞傷害(ADCC)活性をマウス生体内で測定し得るin vivo ADCCモデルを作出することである。NOG-hIL-15 TgマウスにヒトNK細胞・ヒトがん細胞・がん抗原に対する分子標的抗体を用い、in vivo ADCCモデルを作製に成功し、結果をまとめてScientific Reports誌にて公表した。 一方で、NOG-hIL-15 Tgマウスの検証中に、NOGマウスに残存する貪食細胞(単球/マクロファージなど)は抗体依存性細胞貪食(ADCP)活性を保持しており、in vivo ADCCモデルのヒトNK細胞を介したADCC反応の検出感度の低下に関与している可能性が示唆された。従って、マウスADCP活性を欠失させるために、マウス抗体受容体を欠損させたNOG-IL-15 Tgマウスを新たに樹立し、マウス免疫系の特性解析を行った。その結果、新旧系統で、ヒトIL-15の産生量に差異は認められなかった。また、ヒトがん細胞と分子標的抗体を用いた結果、抗体受容体の欠損によってマウス貪食細胞のADCP活性を欠失させることが確認された。さらに、ヒトNK細胞・ヒトがん細胞・分子標的抗体を用いてin vivo ADCCモデルの作出を試みた結果、新規系統でマウスADCP活性は消失し、ヒトNK細胞を介したADCC反応の検出感度が向上したことが確認できた。 これらの結果をまとめ、日本免疫学会および米国がん学会(AACR)にて発表を行った。
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