2017 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of humanized mouse model of tumor associated macrophage and application for evaluation of anti-tumor drug
Project/Area Number |
16K18422
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
刈谷 龍昇 熊本大学, エイズ学研究センター, 特任助教 (40757663)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 腫瘍関連マクロファージ / ヒト化マウス |
Outline of Annual Research Achievements |
腫瘍微小環境は腫瘍の増殖や浸潤、転移などに重要な影響を与えている。本研究はヒトの免疫系がマウス体内で構築された免疫系ヒト化マウスを用い、腫瘍に浸潤するマクロファージ(腫瘍関連マクロファージ:TAM)の腫瘍増殖に与える影響をin vivoにて検討し、TAMを標的とした新規治療法の確立に供するものである。2016年度までに、ヒト胆管がんの腫瘍組織内にヒトマクロファージが浸潤するか免疫系ヒト化マウスを用いて検討したが、浸潤したヒトマウロファージは極めて微量であった。そこでマクロファージ以外の腫瘍微小環境構成細胞である線維芽細胞に着目した。ヒト線維芽細胞株OUMSを様々な胆管がん細胞株の培養上清で培養したところ、マクロファージの浸潤、増殖に重要なIL-6とMCP-1の産生が強力に誘導された。阻害剤スクリーニングより、これらサイトカインの産生誘導はステロイドやMAPK阻害剤、HSP90阻害剤により抑制されることが明らかとなった。2017年度は線維芽細胞が腫瘍増殖に与える影響を検討した。トランスウェルを用いた線維芽細胞の浸潤能を検討したところ、線維芽細胞はMMPを活性化することにより腫瘍細胞に浸潤することが明らかとなった。また、免疫系ヒト化マウスの皮下にOUMSとヒト胆管がん細胞株M213を共移植したところ、M213単独移植したものに比べ、腫瘍の増殖は激しかったが、ヒト化していない高度免疫不全マウスでも同様の現象がみられたことから、線維芽細胞はマクロファージ非依存的に腫瘍の増殖をサポートしていることが示唆された。また線維芽細胞とM213細胞を共移植してもヒトマクロファージの浸潤は確認できなかった。さらに、この線維芽細胞による腫瘍増殖促進効果は抗IL-6抗体で抑制されたが、MAPK阻害剤では抑制することが出来なかった。今後ステロイドやHSP90阻害剤との相乗効果も検討していく。
|