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2016 Fiscal Year Research-status Report

新規ワールブルグ効果制御物質の作用機序解明

Research Project

Project/Area Number 16K18432
Research InstitutionInstitute of Physical and Chemical Research

Principal Investigator

小林 大貴  国立研究開発法人理化学研究所, 吉田化学遺伝学研究室, 基礎科学特別研究員 (30528683)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2018-03-31
Keywordsワールブルグ効果 / 代謝 / ケミカルバイオロジー
Outline of Annual Research Achievements

ワールブルグ効果として知られるがん細胞の解糖系優位の代謝はがんの急速な増殖や悪性化に関わり、ゲノム変異やエピゲノム異常によって引き起こされることがわかってきたが、その制御機構の全容は未解明である。がんを理解するためにがん代謝制御機構の解明が強く求められている。
私はこれまで未知のワールブルグ効果制御因子を同定する目的で新規の代謝制御物質を探索し、その結果 CG56618を取得した。本研究では、当該化合物の標的分子を同定し作用機序を明らかにすること、さらにその標的分子のがん治療のターゲットとしての有効性を検証することを目的とした。
CG56618 はがん細胞の解糖系流束を制限し、ミトコンドリアでの酸素消費速度を上昇させる。本化合物の細胞内標的を見出すため、メタボローム解析、およびリコンビナントタンパク質を用いた in vitro での生化学的解析を行った結果、CG56618 の標的分子を同定することに成功した。実際、標的タンパク質の遺伝子をゲノム編集でノックアウトすることにより、ワールブルグ効果のキャンセルが認められた。さらにノックアウト細胞では CG56618 を添加しても代謝変化が誘導されなかった。すなわち、CG56618 は細胞内で当該標的タンパク質の機能阻害を介してワールブルグ効果を制御することが明らかになった。本研究により当初予想もしていなかった分子が解糖系とミトコンドリア呼吸を制御することが見出された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

一年目の目標としていた化合物の標的分子同定ができた。

Strategy for Future Research Activity

当初の計画通り、標的分子のワールブルグ効果制御における役割(標的分子をノックアウトするとなぜ細胞外酸性化速度が減少し、酸素消費速度が増加するのか)を細胞生物学の手法を用いて解析する。また当該標的分子のがん治療標的としての有効性検証も並行して行う。

Causes of Carryover

代謝解析にかかる物品費が当初見込んでいた費用を下回ったため。

Expenditure Plan for Carryover Budget

この残額は次年度の物品費として使用する予定である。

URL: 

Published: 2018-01-16  

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