2018 Fiscal Year Annual Research Report
Roles of importin alpha1 in tumor microenvironment
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16K18434
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
山田 幸司 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (90570979)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 核輸送因子 / 細胞外局在 / 肝癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
Importin α1は、核輸送因子として知られ、細胞内で核移行シグナルを有する蛋白質の核輸送を介在する。近年、多くのがん症例の腫瘍組織においてimportin α1が高発現していることが明らかとなり、importin α1とがん病態との関与が推測されている。申請者は最近、肝がん細胞株の細胞膜上や培養上清中にimportin α1が局在・存在することを見出した。そこで本研究では、がん細胞から放出されるimportin α1に注目し、がん微小環境における役割と腫瘍構築への関与を細胞・個体レベルで詳細に検討することで、がん病態におけるimportin α1の意義を明らかにする。そして本解析を通して、細胞外に存在するimportin α1を標的とした新たな肝がんの診断法や生物学的製剤の開発へと展開していく研究基盤を確立することが本研究の狙いである。 本研究は核輸送因子であるImportin α1が肝癌細胞株の細胞増殖に寄与する知見を得ることに成功した。さらに、皮下移植モデルマウスを用いた解析を通して、腫瘍細胞から細胞外放出されたImportin α1が腫瘍細胞以外にマウス由来の血管内皮細胞の細胞膜にも局在することを見出した。このデータは、がん微小環境におけるImportin α1の機能的役割を示唆している。また、細胞株を用いた網羅的な細胞外因子の探索も行った。結果的に、細胞内キナーゼの肝癌特異性を見いだすことができた。本成果は、肝癌において核移行するタンパク質の細胞外放出の機能的意義を提示する基盤的研究となった。
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Research Products
(3 results)