2017 Fiscal Year Research-status Report
ホルマリン固定検体での遺伝子融合の検出及び薬剤感受性/耐性遺伝子発現診断系の開発
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16K18446
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
角南 久仁子 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 医員 (70766823)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 融合遺伝子 / 肺がん |
Outline of Annual Research Achievements |
がんの個別化治療には、治療標的または予後予測因子となる融合遺伝子やRNAスプライシング異常の迅速な診断、および治療感受性/耐性遺伝子の正確な発現定量が重要であるが、FFPE検体ではこれらをマルチプレックスに診断することは困難である。そこで、本研究では、複数の遺伝子融合及びRNAスプライシング異常の検出と、感受性及び耐性関連遺伝子の発現測定を同時にでき、肺がんを中心としたがん治療の治療選択の補助となるパネルを開発することを目的としている。 前年度で作成・検証を行った肺がん融合遺伝子検出パネルに、EGFR-TKI耐性関連遺伝子(AXL,GAS6, MET, HGF, BIM, NOXA, PUMA, CD133)及び免疫チェックポイント阻害薬効果予測遺伝子(PD-1, PD-L1, PD-L2)を加えたパネルを用いて血液中の遊離RNAなど微量な検体からでも検出可能かの実験系の組み立てを行った。一方で、肉腫の融合遺伝子についても同じ原理でパネルの作成を試みたが5'側、3'側それぞれで共通する融合遺伝子が多いため難渋し、最中的には肺がん融合遺伝子に絞る方針とした。 当該年度では、血液中のRNAからの融合遺伝子検出を検証するため、融合遺伝子陽性肺がん患者の症例抽出および、検体確保を中心に行った。次世代シークエンサーでの解析によってパートナー遺伝子が判明しているALK融合遺伝子、ROS1融合遺伝子、RET融合遺伝子陽性肺がん症例を選出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
産休に関連して出産前に切迫早産での病気休業、また、産後も待機児童の問題がありすぐの復職ができなかったため、実質4ヶ月しか就労できず、時間的に実験がほとんど出来なかかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
抽出した融合遺伝子陽性肺がんについて、血液サンプルから融合遺伝子の検出ができるかどうかを検証する。
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Causes of Carryover |
産休、育休によって実験ができない期間が長く、研究費の使用ができなかったため。今後、分子カウンティング法の解析試薬及び、サンプル調整試薬に使用予定。
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