2017 Fiscal Year Annual Research Report
A role of regulatory B cell in tumor immunity
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16K18449
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
小林 忠弘 金沢大学, 附属病院, 助教 (20746383)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 悪性黒色腫 / 制御性B細胞 / 腫瘍免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、制御性B細胞が増加しているマウス(B細胞特異的PTEN欠損マウス)を用いて悪性黒色腫の増生および腫瘍浸潤細胞を解析した。 B細胞特異的PTEN欠損マウスではコントロールマウスと比較して悪性黒色腫が有意に増大し、腫瘍に浸潤する制御性B細胞が増加していた。 腫瘍に浸潤するリンパ球をフローサイトメトリーで解析したところ、B細胞特異的PTEN欠損マウスでは、コントロールマウスに比べて腫瘍に浸潤するB細胞が比率・絶対数ともに有意に増加していた。一方、CD4+T細胞、CD8+T細胞、CD4+CD25+制御性T細胞、NK1.1+CD3- NK細胞の絶対数に関しては、いずれも有意差がなかった。 B細胞特異的PTEN欠損マウスでは、コントロールマウスに比べて腫瘍に浸潤しているCD8+T細胞におけるIFN-γおよびTNF-αの産生能が有意に低下していた。一方、腫瘍に浸潤しているCD4+T細胞におけるIFN-γおよびTNF-αの産生能、腫瘍に浸潤しているNK細胞におけるGranzyme Bの産生能に有意差はなかった。 一般的に制御性B細胞はCD1d hi Marginal zone B細胞とCD5+ B1 B細胞の2つのサブセットから成るが、腫瘍に浸潤している制御性B細胞はCD5+ B1 B細胞であった。そこでCD5+ B1 B細胞を悪性黒色腫細胞と混合して野生型マウスに移入したところ、非混合群および非B1 B細胞混合群と比べ腫瘍増生が増大した。 以上より、制御性B細胞は悪性黒色腫に対する腫瘍免疫反応を抑制していると考えられ、その機序として腫瘍組織に浸潤するCD8+T細胞のIFN-γおよびTNF-αの産生を抑制する可能性が示唆された。
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