2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of novel photodynamic therapy using super carbonate apatite
Project/Area Number |
16K18451
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
玉井 皓己 大阪大学, 医学系研究科, 招へい研究員 (60724250)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ICG / 光線力学療法 / 大腸癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度の研究では、sCA ( super carbonate apatite) がインドシアニングリーン (ICG) を搭載可能であることを示した (sCA-ICGの作製に成功)。また大腸癌細胞株を用いたin vitro実験においてsCA-ICGはICG単独よりも大腸癌細胞株に効率的に取り込まれ、近赤外線の照射によって高い抗腫瘍効果を示した。この際、活性酸素種(ROS)の有意な上昇がみられた。この成果を受け、平成29年度は主として動物実験を行った。免疫不全マウスに皮下腫瘍を作成し、ICG単独 (尾静脈注射: 尾注)、sCA-ICG (尾注)の臓器分布をin vivo imaging systemを用いて経時的に評価した。その結果、sCA-ICGはICG単独に比べ腫瘍組織に有意に多く集積していた。肝臓にも集積がみられたが、24時間以内に速やかに排泄されていた。一方、市販されているICG-liposomeでは、24時間経過後も大部分が腫瘍組織や肝臓をはじめとする正常臓器に残ったままであった。 次に前記の腫瘍と正常臓器におけるICGの取り込みを参考に、腫瘍/正常組織比が最も高い投与法とその時間での光線力学療法の治療効果を評価した。腫瘍径が200~300mm3に達した時点で、近赤外線照射を1回行い、2日毎の腫瘍体積と体重を測定し、19日間観察した。その結果、sCA-ICG投与群ではICG単独投与群やコントロール群に比べ、強い抗腫瘍効果を示していた。sCA-ICGの毒性についても評価したが、sCA-ICG投与による体重減少や血液生化学検査値の異常や組織学的異常は認められなかった。近赤外線は現行のレザフェリンに対して用いられている光線よりもより深部に到達することから、新たな光線力学療法の可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)