2018 Fiscal Year Annual Research Report
Photothermal ablation of lung cancer by low power near-infrared laser and topical injection of ICG.
Project/Area Number |
16K18453
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
廣橋 健太郎 高知大学, 医学部附属病院, 助教 (70457406)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 光温熱治療 / 肺癌 / 近赤外線レーザー / ICG |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、肺癌患者の高齢化に伴い、標準治療である外科的切除が選択できない症例が増加している。原発性肺癌に対する局所治療としては、SBRTなどの放射線治療やPDT・高出力レーザー治療などの内視鏡的レーザー治療が普及している。本邦では、早期扁平上皮癌に対してPDTが積極的に選択されている。また、進行した原発性肺癌の気管支内浸潤に対して姑息的な高出力レーザー照射が選択されることが多い。しかし、内視鏡的治療は比較的中枢の気管支内病変に対するもので、原発性肺癌のほとんどを占める気管支外病変に対する治療手段として用いることができず、その適応は限定されている。一方で、組織透過性に優れた近赤外線レーザー照射と光増感薬剤の局所注入との併用による光温熱治療は、局注部位に対して選択的に光温熱効果を発現させることで合併症のリスクを最小限にすることが期待できる。光感受性物質として、ICGは人体に局所注入および静脈内投与が認められている薬剤である。ICGは一定の濃度条件下で800nm付近の近赤外線にて励起され、840nm付近の蛍光を発し、最近では心血管領域での応用でも知られている。また、同時に光吸収物質であり、近赤外線レーザー光を吸収し発熱効果を得られる。我々は、肺癌の近傍にICGを注入し、末梢性肺癌に対してはナビゲーション気管支鏡を用いて気管支生検針内に細径光ファイバーを通してレーザー照射を行う光温熱治療の開発を目指している。マウス皮下腫瘍モデルを用いた動物実験では、ICG局所注入+近赤外線レーザー照射により全ての腫瘍が縮小した。ウサギ肺腫瘍モデルを用いた実験では、ICG局所注入+近赤外線レーザー照射群では、レーザー単独群と比較して、有意に肺腫瘍の焼灼範囲が大きくなることを確認した。
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