2017 Fiscal Year Annual Research Report
Application of dopamine receptor antagonist inhibiting WNT-YAP/TAZ pathway for colon cancer treatment
Project/Area Number |
16K18457
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
奥 裕介 岩手医科大学, 薬学部, 講師 (50626843)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | YAP/TAZ / がん分子標的薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
YAP/TAZは、大腸がんを始めとする様々な固形腫瘍の増殖だけでなく、殺細胞性抗がん剤耐性に関与することが報告されている。また、近年では、分子標的薬耐性に関与することが次々に報告されている。YAP/TAZは、細胞周期制御に与る遺伝子の発現に関与することから、YAP/TAZが細胞周期キナーゼを標的とする分子標的薬の感受性に関わる可能性を考えた。卵巣がん細胞株OVCAR-8で、YAPをノックダウンし、細胞周期制御キナーゼ阻害剤で処理して、コントロールと比較して増殖抑制が強く生じるものを探索した。その過程で、YAP/TAZの不活性化が、オーロラAキナーゼ阻害剤MLN8237や、WEE1キナーゼ阻害剤AZD1775の感受性化を導くことを見出した。YAP/TAZをノックダウンすることにより、卵巣がん細胞株OVCAR-8、乳がん細胞株MDA-MB-231が、これらの薬剤に感受性化した。YAP/TAZのノックダウンにより、これらの薬剤によるアポトーシスが増加することを見出した。YAPまたはTAZの不活性化は、オーロラAの発現量を減少させること、MLN8237はYAPの発現量を低下させることを見出した。また、YAPの不活性化は、DNA損傷の蓄積と、DNA修復に関わるFANCD2や、その転写因子E2F1の発現量を低下させた。 また、YAP/TAZの核移行を阻害するフルバスタチンや、ダサチニブは、MLN8237やAZD1775の効果を増強することを見出した。以上の結果は、YAP/TAZの不活性化と、MLN8237やAZD1775を組み合わせることで、より治療効果が高まることを示唆している。また、フルバスタチン、ダサチニブとこれら薬剤との併用を新たなレジメントして提唱できると考えられた。
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