2016 Fiscal Year Research-status Report
RNAポリメラーゼ阻害による再発癌特異的治療法の開発
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16K18458
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
久米 浩平 岩手医科大学, 医学部, 助教 (10609663)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | RNAポリメラーゼ阻害 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度の進捗は以下の2点に要約された。 ①肝細胞のα-アマニチン取り込みにシスプラチンが関与するかを調べるために,これらを併用投与したマウスとα-アマニチンのみを投与したマウスの肝組織サンプルの病理解析を行った。先行研究においてがん性腹膜炎モデルに抑制効果を示したα-アマニチン投与量,0.4 mg/kgでは,シスプラチンの有無に関わらず,どの個体も肝組織における顕著な傷害は観察されなかった。最終的に,1.2 mg/kg投与群の一部と3.6 mg/kg投与群において核の凝縮や空胞が観察された。 ②同様の目的で,α-アマニチンとシスプラチンを併用投与したマウスとα-アマニチンのみを投与したマウスの肝組織サンプルにおけるα-アマニチン量を計測した。かずさDNA研究所のサポートのもと行われた質量分析により,肝組織サンプルからα-アマニチンを検出するためにはマウスに3.6 mg/kg以上のα-アマニチンを投与する必要があることが判明した。3.6 mg/kgのα-アマニチンにシスプラチンを併用投与したマウス群では,α-アマニチンのみを投与したマウス群と比較して,サンプル中のα-アマニチン量が42%低かった。 以上の結果は,がん性腹膜炎に抑制効果を示すα-アマニチン投与量では重篤な肝傷害が起こりにくいこと,および肝細胞のα-アマニチン取り込みにシスプラチンが抑制的にはたらき,α-アマニチンによる副作用軽減に寄与したことを示唆している。本研究課題の成果は特許として出願され,平成28年3月9日付けで公開となった(P2017-48164A)。また,本研究課題の成果を先行研究の成果と統合した論文が平成28年5月16日号のScientific Reportsに掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究成果が予定よりも早く論文化されたため。
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Strategy for Future Research Activity |
5月より米国シティオブホープ・ベックマン研究所への留学が確定したため,4月のアメリカ癌学会にて本研究成果を報告したのち補助事業廃止手続きを行う予定である。
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Causes of Carryover |
研究の親展が想定よりも早く,実験の費用が抑えられたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
4月に開催される米国癌学会にて本研究成果を発表するための費用に使用する。5月より米国シティオブホープ・ベックマン研究所への留学が決定しているので,補助事業廃止手続きを行う予定である。
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[Journal Article] α-Amanitin Restrains Cancer Relapse from Drug-Tolerant Cell Subpopulations via TAF152016
Author(s)
Kume K, Ikeda M, Miura S, Ito K, Sato KA, Ohmori Y, Endo F, Katagiri H, Ishida K, Ito C, Iwaya T, Nishizuka SS
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Journal Title
Scientific Reports
Volume: -
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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