2018 Fiscal Year Annual Research Report
A novel vision for cancer treatment by a kinase activator
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16K18460
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
田中 義久 大阪医科大学, 医学部, 助教 (20648703)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 抗癌剤 / キナーゼ活性化剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで乳癌細胞株MDA-MB236に対してチロシンキナーゼ活性化剤であるCMB-236の抗癌作用を検証した結果、CMB-236による恒常的なチロシンリン酸化は過剰なエンドサイトーシスを引き起こすなど細胞にとって大きな負荷を与え、結果的にカスパーゼ依存性の細胞死を引き起こしていることが示された。In vitroにおいてCMB-236の抗癌活性が示されたことから、さらに抗癌剤としての有効性を示すためにin vivoにおいて抗腫瘍効果の検証を行った。免疫不全マウスであるSCIDマウスの左鼡径部皮下にMDA-MB236を5×106個移植し、腫瘍径が2 mmほどに成長したところで、1群を10匹として3群に分け、0 mM, 2.5 mM, 10 mMの濃度のCMB-236をインスリンシリンジを用いて直接腫瘍内に投与した。事前の検証により、化合物の皮下投与もしくは腹腔内投与では化合物の浸透性や輸送などの問題により、劇的な変化が認められそうになかったため、直接腫瘍内に投与を行うこととなった。投与は週3回行い、毎週1回、体重および腫瘍体積を測定し、投与開始から8週経過後にマウスを屠殺・剖検した。8週後の腫瘍体積は、2.5 mM投与群33.2±24.7 mm3、10 mM投与群45.3±49.0 mm3、対照群123.0±93.7mm3と統計学的な有意差を認めた。摘出したそれぞれの腫瘍組織の切片を作製し、中心性壊死の割合を解析したところ、投与群で上昇傾向にあった。CMB-236の抗腫瘍効果は劇的ではなかったが、本研究の結果より、チロシンキナーゼ活性化剤は抗癌剤としての可能性を見出すことができた。
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Research Products
(1 results)